台湾の教科書と「カイロ宣言」

2006.12.22 Friday 12:50
くっくり



 日本統治時代(1895〜1945年)を扱う章は、5教科書ともB5版で30ページから54ページのスペースを割き、史実としての植民地時代を直視しようとしている。翰林の教科書が「50年の植民統治で台湾は同時に植民地化と近代化を経験をした」が書き出すように、評価は肯定、否定の両論併記だ。



 公式教材となった新高校歴史教科書の出版社は次の通り。()内は日本統治時代を扱うページ数。三民書局(30)、南一書局(47)、泰宇出版(48)、翰林出版(54)、龍騰文化(53)。画数順。



 ≪戴宝村・政治大学専任教授(教育部教科書検定委員会主任委員)≫
 
●教育原理にかなう

 歴史教育の原理とは、ある人々のその土地における生活の累積と体験を教えることだ。にもかかわらず、われわれが行ってきた教育は、政治的な理由から中国大陸の歴史ばかりを教え、教育原理に背を向けてきた。しかし、こうして台湾史が正式に教科書に編入された結果、教育原理にかなうよう変わった。

 さらに新しい教科書では、学生に台湾史を理解させることにより、台湾のアイデンティティーと歴史を比較できるようになった。世界的にみても最大脅威であり、密接な関係がある中華人民共和国の歴史はとても重要だが、台湾人が台湾史を理解することも重要なのだ。

 例えば、国民党政権下の台湾では、一貫して「カイロ宣言」をもって台湾は「中国に回帰した」と強調されてきた。だが、多くの研究はあれは宣言ではなく、一種の備忘録であったと指摘している。国民党教育を受けた成人は今だに「カイロ宣言」というが、(新しい教科書を使う)将来の学生は、これは宣伝のようなもので、サンフランシスコ講和条約によって台湾の帰属が日本から離れたことがより明確に理解できる。

 日本統治時代に関しても、中国的な民族主義の立場に立てば、日本の台湾統治は搾取と解釈されるが、台湾人からみる日本時代は違う。日本が行った建設は台湾に大きな影響を与え、進歩につながったことは肯定するに値する。これも動員された台湾人による建設であり、台湾人の努力の結果でもあるからだ。

 確かに(日本統治時代をめぐる)評価のあり方はそれぞれだが、審査する側から言えば、極端に感情的(な表現)でない限り、受け入れられる。したがって著者は、台湾という自由社会を代表し、一定の個人的な観念を盛り込むことにもなっている。

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