「アンカー」原発対応 官邸未だ機能せず&エネルギー政策 青山繁晴×和田武

2011.04.07 Thursday 03:56
くっくり



山本浩之
「(枝野官房長官の漁業関係者に対してのコメントについて)もともと納得が得られないことを当然だと思っているんだったら、やっぱり手順を踏んでやらなきゃいけなかったんじゃないかなと思いますけれども、低濃度とはいえ汚染水を水に流すという、昨日その一報をお伝えした時、ドキッとしながらお伝えしたんですけれども」

青山繁晴
「水の問題っていうか海が汚されていく問題というのは、実は2つあるわけですね。1つは濃度の高い、放射性線量の比較的多めの汚染された水がどこから出てるのか分からない状態で海にどんどん出ていった。もう1つは、低レベルの放射性物質だから、本当はそんなに大きな害はないと思われるけれども、でも意図的に放射性物質を普段より多く含んだ水を流したということ。実はこの2つとも人災なんですよ。1つめの高濃度の水の問題は、どなたがお考えになっても、こういう破壊された状況の中の原発にどんどん放水していったわけですよね。それも自衛官、警察官、消防官が指示されて危険を冒して放水してくれて、ようやく、そんなに異常な高熱にならなくてすんでるんですが、それだけ水を叩き込めば、水があふれてくるのは誰でも分かるわけですよ。僕は内閣の原子力委員会の専門部会の専門委員ですから、その水の問題っていうのはもちろん僕だけじゃなくて、専門委員の方々が何人もそれを言ってきたが、言っても、それこそ砂に水が染み込むようにどこかで消えちゃうんですよ。伝わらない。で、官邸の中にむちゃくちゃ人があふれかえってて、色んな、何とか会議みたいなのがあって、どこかで必ず消えていって結局何にも実行されないんですよ」

山本浩之
「例えば具体的に青山さんが、それを言ったその内容っていうのはどういう…」

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青山繁晴
「つまり水があふれていきますから、これは当然、外部からポンプを入れて出さなきゃいけない。出さなきゃいけないと言っても、タンカーであろうがメガフロートであろうがどこであろうが満杯になるから、これ循環させなきゃいけませんよと、僕だけが言ってるんじゃなくて、ちょっとこの番組で言いましたが、実際の指揮の一部を警察庁という、本来原子力と関係ない所がとってて、つまり保安院が全然信用できないから。だから警察庁の中からもアメリカのNRC、核規制委員会って言うんですけど、本来、保安院と相談するところですが、アメリカ政府は保安院を全然信用してないから、何と警察庁と相談した結果、やっぱり水を回しましょうと。それも原発にもともとある緊急炉心システム、ECCSって言うんですけど、そういうのはもうダメじゃないですかと。それを復旧させるメンツばっかりこだわってないで、もう外のポンプでやりましょうっていうことを、僕だけじゃなくて何人もの人が言ってきたわけです。それぞれのルートで。政府の中からも、僕のように外からも。ところが、消えていって結局何も行われないから。さっき絵が出ましたが、要するに原発の下の所に、石とか砂を砕いて基礎を造ってるわけですよね、当然、発電所建てるために。そこの部分に染みていって、石の隙間から海に出ていったっていう、いわば当たり前のことが起きてるだけなんです。これはもう原子力工学じゃなくて、土木の世界ですね。隙間を埋めていったらそれは止まりますよ。しかし止まっただけであふれ返ってる水は実はまだそのままなわけです。従って2つめの問題が出てきて、要は、原発の中には非常に放射線量の多い場所と、実は低レベルになってて本当は環境に大きな負荷はかからない、人間を傷つけたりしませんって程度になった物と、廃棄物にもいろんな種類があるわけです。その比較的放射線量の少ない所を空にしたいと。濃いやつをそこに入れなきゃいけないから。だから空にするためにそれを海に流しますよというのがその2つめの問題なんです。ということは、これも人災だというのは、回すことを早くやってれば、タンクを空にする必要がないから、そのタンクの中の物はそのままそこにあればいいわけですよ。海にわざわざ出すことはなかった」

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