独特の災害史観を持つ日本人は何度も立ち向かい乗り越えてきた

2011.04.04 Monday 19:32
くっくり


 大石氏はまず、日本が「脆弱国土」であり、「厳しい自然条件」であり、他国に比べ、次の9つの大きな「ハンディキャップ」を背負っていると解説します。

(1)細長い国土
 放射状の交通ネットワークを構築しづらい。
(2)四島
 海峡が陸地を分断。多数の島嶼部で構成されている。
(3)脊梁(せきりょう)山脈
 細長い国土を2000メートル級の山脈が縦貫し、日本海側と太平洋側に二分している。面積の7割が山岳地帯。河川は急勾配で短く、流域面積が小さいため、降雨域に上流から下流まで収まってしまう。そのため、河川の氾濫を引き起こしやすい。
(4)平野
 そもそも平野部や可住地が少なく、河口部か山間盆地にある狭い平野が分散している。
(5)軟弱地盤
 大都市はすべて河口部の軟弱な地盤の上にある。
(6)地震
 国土面積は世界の地表面積の0.25%しかないにもかかわらず、マグニチュード4以上の地震の約10%が日本で発生し、マグニチュード6以上では全世界の約20%が日本で発生している。
(7)豪雨
 地球総平均の2倍以上の年間降雨量だが、梅雨末期と台風期に集中。そのため水害が多い。
(8)強風
 台風の通り道に沿うかのように日本列島が展開しており、直接影響を受ける。
(9)豪雪
 国土面積の60%が積雪寒冷地域にある。

 つまり、ヨーロッパなどに比べて、日本は耐震や水害に注意を払い、対策をするというハンディを背負っている。そして先人たちは大変な苦労と投資を積み重ねつつ、ここまで国を発展させてきたのであると。

 また、大石氏は「災害が歴史を動かしてきた」との持論を展開、その一例として幕末を挙げています。

 1855年、安政江戸地震が起こり7400人以上が死亡しましたが、その翌年にも江戸では安政の大風災が起こり、大低気圧による高潮で10万人もの人々が家屋倒壊による轢死や溺死しています。

 実はこの時期は江戸以外でも災害が頻発しており、安政伊賀地震、安政東海地震、安政南海地震が続けざまに発生し、三陸・北海道では津波の被害もありました。

 これら連続した自然災害が、民衆を言い知れぬ不安に陥れたことは間違いなく、また、日本には「社会が不安定だと災害が起こる」との感覚が元々あったため、知識人も「本当に今のままの政治体制で大丈夫なのか」という感覚をもったのであると。

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