したたかに生きる小国たち 「ビーバップ!ハイヒール」より

2010.05.03 Monday 00:27
くっくり



●モナコ

 モナコの面積は大阪城公園の2倍ほど。人口わずか3万3000人。ハリウッド女優のグレース・ケリーが王妃として嫁いだ国。
 かつてはのどかな国だったが、19世紀半ば深刻な経済危機に。そこで国営のカジノを作った。狙いは成功し、カジノ目当てで多くの資産家がモナコに殺到。国内に空前の富をもたらした。カジノの売り上げは一時、国家収入の9割を占めるほどに。
 潤ったモナコ政府は国民の所得税を免除。これにより、世界の資産家がモナコに移り住むようになった。隣の大国フランスが激怒し、さまざまな圧力をかけたが、モナコは屈することなく、現在も独自のポリシーを貫いている。

●ツバル

 南太平洋の小さな島国ツバル。9つのサンゴ礁からなるこの国の総面積は、安芸の宮島ほどの大きさしかない。人口わずか9652人(2006年)。地球温暖化が進めば海に沈む国としても知られている。
 目立った産業がないツバルだが、巨額の収入をもたらす意外な秘密が。ヒントはインターネット。
 インターネットには国を表す部分がある。日本は「.jp」、中国は「.cn」、フランスは「.fr」というように、世界各国に決められた文字が割り当てられていて、他の国が勝手に使ってはいけない。ツバルに割り当てられたのは「.tv」だった。
 「.tv」が割り当てられた時、使用権を世界中のテレビ局がほしがるだろうと予想はされていたが、はたして2000年、この権利を丸ごと買いたいというアメリカの企業が現れた。契約金は10年間で約70億円。
 ツバル政府は手に入れたお金で電化事業を推進、奨学金制度を創設するなど、国の未来のために投資した。
 そして何よりツバルはこのお金で国連分担金を払い、見事に国連加盟を果たした。
 現在「.tv」の使用権を売る代理店は日本にもあり、実際にBSフジが「.tv」を使用している。まさにツバルという国名がツバルを救った。


 国が生き残っていくためには、したたかな外交戦略や独立を守ろうとする気概はもちろん必要ですが、運に左右される側面もありますよね。
 特に地政学的なものは大きいと思います。

 日本は島国ってことで、他国からは(国内からも)「島国根性」だとか否定的に言われることも多いのですが、でも歴史を振り返ると、よくぞ日本は島国であったものだ、よくぞこの位置にあったものだ、非常に幸運だった……と思うことが、私はたびたびあります。

[7] << [9] >>
comments (13)
trackbacks (0)


<< 「アンカー」小沢氏『起訴相当』で民主党激震
鳩山首相が沖縄訪問「最低でも県外」断念 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.04R]