「たけしの教科書に載らない日本人の謎2010」(2)終
2010.01.04 Monday 00:18
くっくり
出雲地方には毎年11月頃、海の向こうからあるものがやってくるという。
地元の人曰く、「頭を持ち上げて泳ぐ、腹が黄金、神様の使いという認識で、『龍蛇さん』と言っている」。
それは、セグロウミヘビ。鋭い牙には猛毒を持つと言われる。普段は南の海に住むが、冬の初めに暖流に乗り、西の方から島根県地方、つまり出雲の海に流れ着くという。
西からやってくる、これこそキーワードのひとつ「夕陽が沈む西」。
古来、出雲大社では、西の方角からやってくるこの龍蛇さんの姿を神の使いとしてお札などに使い、今も全国の神様がやってくる「神在祭」の時には御神体として大切にお祀りしている。
そして、この龍蛇信仰をもっとも恐れたのが大和王権だったという。
「ウミヘビというのは自然界の霊力、恐ろしい力を蓄えている動物ですね。大和の王権からすると、出雲は恐ろしい蛇の神を祀る地方の王であったというイメージがあったようだ」(新谷尚紀)
たとえば平安時代、970年に書かれた「口遊」にはこんな一文が。
「雲太」「和二」「京三」。
これは当時の日本三大建築物を意味する言葉。
「京三」=「京都三郎」=平安京の大極殿。高さ24m。
「和二」=「大和二郎」=東大寺の大仏殿。高さ45m。
「雲太」=「出雲太郎」=出雲大社。現在の本殿の高さは24mだが、文献によれば平安時代は48mもあった。
出雲の龍蛇信仰を恐れ敬った大和王権。そんな大和王権と出雲の関係を見れば、残された謎も解ける。
柏手を打つ数が一般神社の2倍の4回。
「これは平安時代の『延喜式』という書物にある『八平手』、八回柏手を打つ。高貴な方に対する最大の敬意を表す挨拶の作法。この作法が半分の四回になったと考えられる」(新谷尚紀)
4回の柏手は大国主神に最高の敬意を表すものだった。
注連縄が逆向きで、頭が「西」を向いている。御神座も西向き。
「西」と言えば、神の使いである龍蛇様がやってこられ、黄泉の国があるという特別な方角。これにより、大国主神を、この世ではなく「黄泉の国」と結び付けているのだ。
そうすることで、大和王権はその祟りを抑えるばかりか、出雲の霊力を味方にしようとしたという。
それはいったいなぜだったのか?そこには在る人物のとてつもない計画が関わっていた。
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