外国人から見た日本と日本人(15)

2009.11.17 Tuesday 00:32
くっくり



〈中略〉僕の願いは、「ナイルレストラン」が栄え続けること。たとえ僕がいなくなっても、「日印友好は台所から」という父の遺志は、三代目の息子にしっかりと受け継がれているはずです。

■野田ドリット=1949年(昭和24年)イスラエル生まれ。1971年(昭和46年)、現東京芸大名誉教授で版画家の野田哲也氏と結婚。当時のイスラエル大使の娘。
加藤恭子編「私は日本のここが好き!—外国人54人が語る」より

 私自身が三十七年という日本の生活体験を踏まえて言えることは、やはり「詫(わ)び」「寂(さ)び」の日本人の感性の素晴らしさです。静かに澄んだ、落ち着いた味わいを好む民族ではないでしょうか。例えば、「茶道」や「能」、「俳諧」などに見られる趣。「虫の音に対する日本人の感性」について見ても、鈴虫を飼い、虫の音を聴き、そこに心が洗われて秋の憂愁に心を静かに休めるといった行為は、イスラエルでは少ないと思います。ところが日本では、ごく普通の人でもその感性を持っているのです。中秋の名月には、ススキとお団子を供えるなどして、月見を行うといった風流な生活習慣に見る感性も同じですが、これらは日本人に特有のものではないでしょうか。こうしたいわば「詫び」「寂び」の感性をもっと日本人は大切にすべきで、「世界に発信していく誇るべき文化」ではないでしょうか。日本の四季折々の自然の美しさには、また格別のものがあります。しかし、それよりも何よりも、日本人特有の感性に裏打ちされたこうした「古き良き日本の伝統文化」に私は魅了されます。

 日本人は自分を「見せびらかす」ことをしません。その人や優れた能力を持っていたとしても、それを自慢したり見せびらかすことはしません。控えめであるのがよいとされています。これが日本人の「奥ゆかしさ」なのでしょうか。私の主人も芸術家としての優れた才能を持っていますが、人前ではそうした素振りは些(いささ)かも見せません。その意味では、主人も典型的な日本人の一人であるのかも知れません。

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