国旗に秘められた物語第2弾「ビーバップ!ハイヒール」より

2009.10.03 Saturday 03:09
くっくり


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■日の丸には兄弟がいた!?〜パラオの国旗

image[18Palau.svg.png]

 世界には、日の丸とよく似たデザインの国旗を持つ国がある。
 そんな日の丸の国旗にそっくりな国旗がこちら。
 日本から3000キロ以上離れた太平洋に浮かぶ島国パラオの国旗。

 この2つの国旗が似ているのには何か意味があるのか?

 パラオはもともとドイツの植民地だった。
 第一次世界大戦でドイツに勝った日本は、戦後パラオを統治。
 この時、日本は2万人もの移民をパラオに送り、学校や病院、道路などのインフラ整備に努めた。
 第二次大戦後、パラオは国連の信託統治領となる。

 しかし、日本統治時代の文化はその後も色濃く残ることになる。
 その証拠に、パラオでは今も500以上の日本語が日常会話で普通に使われている。
 たとえば、

   センキョ……選挙
   ジムショ……事務所
   チチバンド……ブラジャー
   デンキバシラ……電柱

 どれもパラオ語になった日本語だ。

 1994年、パラオは独立を果たした。
 当時の大統領はクニオ・ナカムラ。
 三重県から移住してきた船大工と島の娘との間に生まれた日系人。

 「いよいよパラオの新しいスタートだ。まずこの国にふさわしい国旗を作ろう!」
 国旗のアイデアとして、国民からたくさんのデザインが寄せられた。
 それぞれ、パラオの歴史と伝統と国に対する深い愛情が込められていた。
 そんな中、その場の誰もが目を見張ったものがあった。
 「これはいい……」
 こうしてパラオの国旗は選ばれた。

 ちなみに、この国旗に描かれているのは太陽ではなく満月。
 いわば日の丸ならぬ「月の丸」。
 そして周りの青地は海を意味する。
 パラオの青い海に浮かぶ満月の姿。

 海と共に生きる島国のパラオの人々にとって、潮の満ち引きと密接に結びつく月はとても大切なもの。
 さらにパラオの人々の心は満月のように穏やかで美しい。

 でも、パラオの年配の人たちはこうも話す。
 「パラオの国旗は日の丸を意識したものだ」

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