「朝鮮紀行」イギリス人女性が見た19世紀末の朝鮮(3)

2009.09.28 Monday 01:12
くっくり


 それに「国王は暗殺者の一団に囲まれており」、その中にはもちろん日本人もいましたが、「その一団のなかでもいちばん非道な存在が自分の父親(大院君)だった」とバードは断定しているのです。(p.358)

 何より、その後日本は列強各国から非難を受けるどころか、各国公使たちが「朝鮮独自の軍隊に国王の信頼を得るに足るだけの力がつくまで日本軍が王宮を占拠してはどうか」と勧めたとあるのです。なかでも「日本の干渉を最もつよく勧めたのはロシア公使」だったと記述されています。(p.364)

 「報ステ」の言うように事件が全て日本側の仕業であるなら、このような展開にはならないと思うんですが……。

 仮に事件が全て日本側の仕業であるなら、各国大使のこの申し出はまさに渡りに船、一気に王宮を占拠してしまってもおかしくないのでは?(ちなみに日本軍は1884年、金玉均ら開化派が起こした甲申政変の際にも王宮を占拠したことがある)
 にもかかわらず、日本軍は「王宮占拠を行わず、訓練隊は相変わらず権勢を誇り、国王は軟禁されたままだった」とバードは記述しています。(p.364)

 ついでに言えば、バード自身も、「日本が各国大使の提案を受け入れていれば」、すなわち日本軍が王宮占拠をしていれば、「現在のようにロシアが朝鮮に対して圧倒的な影響力を持つような事態も避けられたのではあるまいか」と、日本側の対応を批判しているのです。

 それどころかバードは、ロシア政府が「訓練隊を武装解除させて国王を守るよう日本にはっきり要求した」にも関わらず、「その要求を断った日本政府が結果的にロシアに干渉を許してしまうことになるのも身から出たさびといわざるをえない」とまで言っているのです。(p.364-365)

 もちろんバードの記述が全て正しいとは言えないでしょうし、他の文献も調べてみないと何とも言えませんが、少なくとも「報ステ」の報道と「朝鮮紀行」の記述に大きな齟齬があることだけは確かです。


 ところで、「報ステ」でこの特集が放送される直前の韓国の報道によれば、「閔妃殺害実行犯」子孫の韓国謝罪訪問には「明成皇后を考える会」というのが絡んでるらしいんですが、これは「平和憲法を活かす熊本県民の会」というのが元の組織であると。
 やっぱりプロ市民が絡んでましたか……(T^T)

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