「朝鮮紀行」イギリス人女性が見た19世紀末の朝鮮(2)

2009.09.13 Sunday 01:54
くっくり



●(前項のつづき)概して安ぴかの外国製品を大歓迎する風潮は、自由に使える金のある若い「名士」のあいだで急速に広まっている。彼らは朝鮮的な簡素さをばかにし、後輩たちにあくまでも自己本位でしかも度を越した乱費の手本を示しているのである。あちこちに庭のある邸宅は新しくて立派で、どこをとってもカネ、カネと叫んでいるようだった。わたしはよろこんで粗末な舟に帰り、「簡素な生活」に「高尚な思考」がうまくともなってくれればと願ったものである!(p.123)

●(漢江の湾曲部にできた平野のまん中に立つ粗く削った大石を積んだ石塔の近くで)何人もの男がひどく酔っぱらっており、過度に酒を飲むしきたりが多少なりとも目につかない日はほとんどなかった。舟乗りは夕方からの休息を大酒を飲んで祝い、わたしたちが舟をつなぐころになると岸に集まってくる人の群れは、必ずなかにひとりやふたりは酩酊して騒々しくふざける男がいて、いつもにぎやかだった。漢江遡行中とそのあとに観察したところによれば、酔っぱらいは朝鮮の大きな特徴であるといわざるをえない。そしてまた、酔っぱらっても恥ではない。正気を失うまで酒を飲んだとしても、粗野だとは見なされない。偉い高官が満腹するまで食事をとり、食事の終わったころには酔いつぶれて床に寝転がっていても、地位を失うことはなく、酔いが覚めれば、このような贅沢ができるほどゆとりがあるのはすばらしいと目下の者から賛辞を受けるのである。(p.125)

●清風(引用者注:町の名前)にかぎらずどこにおいても、一般庶民は、好奇心はすさまじいものの粗野ではなく、わたしたちが食事をするのを眺めるときでもたいがいある程度離れて見物していた。しかし庁舎に必ずたむろしている知識層から、わたしたちは育ちの悪い不作法な行為を何度も受けた。わたしの居室のカーテンを勝手に開けて中をのぞき、やめていただけないかと慇懃〈いんぎん〉に頼んでいる船頭に威嚇する者までいた。それとは逆に、無学な階層の男たちはこまやかな親切をさまざまな形でわたしたちに示し、早瀬でロープを引っ張るのをよく手伝ってもらった。(p.128)

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