2009.04.11 Saturday 01:58
くっくり
高森明勅氏(日本文化総合研究所代表):
一般的には、「お言葉」を省くだけでご負担軽減につながるのかという疑問もあるでしょうが、そういう意味で精神面の対策には充分なりうる。
陛下がいかに細部にまで注意を払われているかという実例をひとつあげましょう。祭祀に際しての祝詞(お告げ文)に定型的に「かしこみかしこみも申す」という言葉が出てきますが、陛下は、これについて側近になぜ「も申す」と、「も」が重なるのかと質問されたそうです。これは強調の意味なのですが、専門の神主でもなかなか即答できないでしょう。そこまでご自分が口にする言葉に責任を取ろうとしていらっしゃる。
また、驚いたのは、春・秋年二回の叙勲に関するエピソードです。毎年何千人分もの名簿が、各人の功績調書とともに陛下のお手元に上げられるのですが、陛下はその名簿と調書に丹念に目を通され、一部の人たちの功績調書が抜けていることに気付かれたという。それで内閣官房が大急ぎでその分の資料をお届けしたというんです。そのほかにも国事行為関連で大変な量の書類に熱心に目を通され、一々裁可や認証などの処理をしておられるわけで、膨大な作業量になります。
国民に分け隔てなく接するという基本的なご姿勢では、もちろん昭和天皇も同じでした。ただ、昭和天皇の場合、例えば、一つの会場で多数の国民と接する場合、特定の誰かとだけ話しては不公平になるからと、全員に対して一度に対応する形をとることが多かった。一方、今上陛下は、その場にいる国民の一人ひとりに時間の許す限り語りかけていかれるようなスタイルです。これがいわば「平成流」の特徴と言えるのかもしれません。だが、そのご負担は想像を絶するものになります。
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