2008.08.26 Tuesday 02:15
くっくり
(前略) 予測を超えた、腹に据えかねることが2点ほどあったのでここに記しておきたい。
不快に思ったことの第一は、スタンドの数少ない日本人がなでしこジャパンに声援を送ると、周囲の中国人からブーイングの声が上がったことだ。
中国をけなしているのではなく、自国に声援を送る日本人にさえブーイングをして当然という彼らの精神構造がわからない。しかも物心のついていない子供までが面白がって一緒にやっている。横にいる親も「みっともない真似はやめろ」と止めるわけでなく、へらへら笑って我が子のやることをながめている。北京五輪のスローガン『同一個世界 同一個夢想』が聞いて呆れる。03年男子アジアカップ中国大会の日本の出場試合や、昨年の女子W杯日本−ドイツ戦での中国人観衆の礼を欠いた態度に国内外から批判が集まり、北京五輪では節度ある応援が呼びかけられていたのではないのか。
少し中国で過ごしてみると実感するが、彼らは基本的に「俺が俺が」の国民性だ。「自分がこんなことしたら、他人の迷惑にならないだろうか」という思慮や客観性がまるで欠如している。自分さえ、自分の家族さえ、自分の仲間さえよければ他はどうなってもいい。それが同心円的に広がって中華人民共和国という国家にまでは達しても、決してそれ以上の円にはならない。外の世界への敬意を失った愛国者は単なる国粋主義者という。しかし中国の教育は多角的な視点を持つことの重要性を教えていない(それどころかあえて避けている。一党独裁制の堅持のためだ)から、そんなことに気付けるはずもない。ブーイングをしている当人達は愛国心の発露のつもりなのだろうが、結局は中国という国の民度の低さを示していることがわからないのだ。
しかしそれにもまして信じられなかったのが、公式大会ボランティアが取った行動である。
後半途中、アメリカが少々日本に押されている時間帯のことだった。突然一人の若い女性ボランティアがスタンドの通路最前列にピッチを背にして立ち、チアスティックを持って周囲の観客の応援を先導し始めたのである。なんと言ったか。
「美国加油!(アメリカ、頑張れ!)」
耳を疑った。お先走りの観客ではない。見慣れた青いポロシャツを着た、公式の大会ボランティアなのである。全世界から来る観客の便宜を図るために配置されたスタッフの一員なのだ。
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