2008.08.26 Tuesday 02:15
くっくり
(前略) 上海在住の友人からメールが届いた。もう20年以上、中国でビジネスを続けてきた彼は、中国人気質を知悉しているうえに、温厚な人柄である。日本に対する中国人の無礼に対しても鷹揚に対処してきた。だが「今回ばかりは堪忍袋の緒が切れた」と書き送ってきた。
女子バドミントンの3位決定戦で日本の末綱・前田ペアが中国チームと対戦した夜、上海在住の多くの日本人がひいきにしている日本料理や「伊藤家」に立ち寄った時のことだ。準々決勝で世界ランキング第1位の中国人ペアを破って大金星をあげた末綱・前田ペアに対して、伊藤家の服務員(ウェイトレス)たちが悪口雑言の限りをつくしていたという。(以下略)
(前略) 少なくとも五輪期間中に北京を訪れた外国人の多くは、中国が近代的な「文明大国」との印象を持ったに違いない。そうした印象を与えるべく、中国は努力してきたのであり、中国のメディアがそれを誇るのも不当ではない。
しかし、つい数カ月前までは、そうではなかった。街にはちりが舞い、物ごいや売春婦の姿があったし、公共バスの停留所では人々は我先に乗車口に殺到していた。交通渋滞が常態化し、大気汚染で息が詰まる日も少なくなかった。
五輪前に街は「清掃」された。農村からの出稼ぎ労働者の大半は帰郷し、物ごいたちはむろん、路上の物売りやストリートミュージシャンも消えた。周辺地区を含めほとんどの工場が操業を停止し、開会式の3週間近く前にはマイカー規制が始まった。
外国の訪問者たちが見ているのは「期間限定」の美しい北京にすぎない。それを演出し組織できるだけの統制力を中国共産党は内外に示し、政権の威信を高めるのに成功した。断トツの金獲得とあわせ、「中華帝国」の復活と懸念する反体制派の声はか細い。
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