「日中の興亡」

2008.07.08 Tuesday 00:56
くっくり



第九の章 日本がすべきこと
 カンボジアの最大の悲劇/日本が忘れ、中国が忘れない国/……

終わりの章 希望の門


 実は私、青山さんの本を読むのは初めてなんですが、読みやすくて驚きました。
 文章は平易で頭にすっと入って来やすいし、この手の本にはありがちな小難しい専門用語などもほとんど出てこない。

 また、実際の取材や体験をもとに書かれたものが多いので、説得力があります。

 そして、何と言っても嬉しかったのは、青山さんの普段のスタイルが貫かれていること。読者の目線に立って、優しく語りかけてくれています。

 始まりの章「滅びの門」(前書きにあたる)に、こうあります。

 この国の唯一の主人公である、ふつうの国民が、根っこを考えられるためのきっかけを、ひとつ作りたい。問題提起をして、国民みずからが自分の頭で考える手助けをこそ、したい。それがこの書のすべてだ。
 (P.14)

 「アンカー」や「ぶったま!」をよくご覧の皆さんはお分かりでしょう。

 「この国の主人公である私たち国民が……」「この問題の根っこは何なのかを……」「今日はこの問題を皆さんといっしょに考えてみたいと思います……」

 いずれも、青山さんがテレビでの解説の中で(私は行ったことないけど、おそらく講演の中でも)よく言われる言葉です。
 その精神は、この本でも貫かれています。
 
 とにかく、学者さんの書いた本とかはちょっと敷居が高くてしんどいって人には(私もわりとそう)、超オススメです。

 たとえば、このブログを今読んで下さってるあなたは、きっと普段から外交とか政治とかにわりと興味がおありで、難しめの本にもまぁまぁ慣れておられるかもしれません。

 ところが、ご学友やご同僚などにそういった外交や政治にまつわる本を薦めたいと思っても、ちょっと難易度が高くて読んでもらえそうにない……って悩みを抱いたこと、ありません?(私はあります)

 そういった方はぜひ、この「日中の興亡」を推薦なさって下さい。きっと抵抗なく読んでいただけると思いますよ。

 (誤解を与えたくないので補足しときますと、私は何も「青山さんの本は簡単すぎる」とか言っているのではないのです。難しい問題、複雑な問題を、初心者にも分かりやすく解説して下さっている、それがこの本であり、それは素晴らしいことだと思うのです)

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