「ムーブ!」胡錦濤来日の通信簿

2008.05.17 Saturday 03:00
くっくり


【正論】「胡訪日」以後 東洋学園大学准教授・櫻田淳(5/15)
【正論】「胡訪日」以後 評論家・鳥居民(5/16)
【断 富岡幸一郎】直視できない歴史観(5/16)
【世界のかたち、日本のかたち】大阪大教授・坂元一哉(5/16)

 田久保忠衛さんと鳥居民さんのは今回の訪日を直接論評したものではないですが、参考になります。特に鳥居さんのは、「抗日戦争記念日である9月3日、中国共産党が日本にどのような態度をとってきたかを、10年ごとに見る」というもので、なかなか面白いです。


 さて、共同声明の中に「日本と中国の歴史を直視して未来へ向かう」という言葉が盛り込まれていたことを、「ムーブ!」で上村幸治さんは評価しましたが、富岡幸一郎さんはそうは見ていないようです(【断】直視できない歴史観(5/16))。

 いわゆる歴史問題について、戦争や侵略に対する日本の「おわび」や「反省」には触れず、共同声明では「歴史を直視し、未来に向かい、日中『戦略的互恵関係』の新たな局面を絶えず切り開く」との表現でまとめた。これを未来志向として、評価するのは、しかしとんでもない話である。
 「歴史を直視し、未来に向かう」という文句は、ただちにあの言葉を連想させる。南京大虐殺記念館に掲げられた「歴史をかがみとし、未来に目を向ける」という標語である。昨年末にリニューアルされた同記念館を訪れて唖然(あぜん)とした。最近では中国側の一部研究者から疑問視されている日本軍の30万人虐殺説は、34万人説へと増えており、虐殺を描いた怪しげな絵画や写真が所狭しと並べられている。驚いたのは新資料館の2階の展示であり、日本の明治以降の近代史がそのままアジアへの「侵略・虐殺史」であると、徹底した反日プロパガンダをやっている。展示の冒頭には、サーベルをさげた明治天皇の肖像画まで掲げられ、侵略者の親玉扱いである。中国国内のこうした状況を放っておいて、歴史をどう「直視」せよというのか。どんな「未来」があるというのか。


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