“撃墜王”が語った日本の戦争の意義

2007.12.11 Tuesday 01:07
くっくり


 お二方の対談が行われたのは、2001年12月に発生した不審船(北朝鮮の工作船)撃沈事件直後のようです。
 国家、歴史、安全保障、危機管理、マスコミ、教育、その他いろいろ、熱く語り合っておられます。

 その中で、大日本帝国海軍のエース・パイロットだった故・坂井三郎さんが1994年11月に外国人記者クラブで講演された時のくだりと、そこから展開して、日本の戦争を世界史の中でどう位置付けるか、さらに展開して、戦後教育の何が問題か、といった辺りのやりとりがなかなか興味深かかったので、引用させていただきます。
(赤文字強調は引用者による)

石原 国会議員を辞める直前だったと記憶してますが、外国人記者クラブで、あの“撃墜王”坂井三郎さんの講演を聞いたことがあります。坂井さんは残念ながら先年他界されたけど、第二次大戦で戦ったすべての国の戦闘機乗りのなかで、一番たくさん敵機を撃ち落としたといわれる、いわばわが旧軍の誇る大空のエースですね。小柄ながらタフな感じの人で、戦闘で片方の目を失い義眼になっていた。

 坂井さんはこんな話をされた。

 「私はあの戦争で片目を失ったが、何の後悔もしていない。あの戦争は私にいわせれば偉大な戦争だった。たしかに多くの有為な人材が失われた。たくさんの優れた同僚や部下、彼らがもし生きてあれば、軍籍を離れても数多(あまた)の才能を発揮して素晴らしい貢献を国家のためになしただろう。私はそれを信じて疑わない。そうした人材をあの戦争でなくしたことは慚愧(ざんき)の念の一つではあるけれど、しかし、相対的にあの戦争は素晴らしい戦争だったと私は思う」と。

福田 いかにも坂井さんらしいですね。

石原 さすがに会場を埋めた外国人、おもに白人だったが、非常に不愉快そうな顔になってきた。その雰囲気を察知した坂井さんは、やや大袈裟なヂェスチャアをまじえて、「だってみなさん、そうじゃないですか。戦後、国連ができてたくさんの国が誕生して加盟しましたけれど、そのなかに白人の国はいくつありますか。強いてあげるならユダヤ人のイスラエルでしょうが、ユダヤ人も白人からはずいぶんと差別迫害されてきた。あとは全部私と同じ肌色の東洋人、もっと色の濃い中近東の人たち、あるいはアフリカの黒人たちで、それぞれに出来・不出来はあっても一国を形成して、世界全体の趨勢(すうせい)を決めるときの一票を投じる資格を持つに至った。人間として、民族としてついに国家を持った。これは人類の進歩ではないですか。あの戦争がなければこんなことは起こり得なかったでしょう」と語ったんですよ。

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