外国人から見た日本と日本人(1)

2007.10.16 Tuesday 00:42
くっくり


 中国に対する思い入れに動かされて政策をつくる人たちは、欧米列強が中国で果たした役割を忘れている。そういう人たちは無意識ではあるが、日本が真似したにすぎない列強の行動について、日本をスケープゴートにしているのだ。

■ヘレン・ミアーズ=アメリカ人。東洋学者。戦前、戦後に来日。連合国占領軍最高司令部の諮問機関のメンバー。
「アメリカの鏡・日本」(昭和23年出版。出版当時、マッカーサーにより邦訳出版が禁止された)より

 アメリカの「存亡にかかわる利益が脅かされた」と判断したら、大統領は世界のどこであれ、その国あるいは国々を攻撃する権利をもつというのだ。日本にとっては、その点が肝心なのだ。

 米大統領は、アメリカの存亡にかかわる利益とその侵犯者を決める権利をもっているというが、自国の国益を定義し、それを誰が脅かしているかを決める権利がアメリカにあるなら、日本にも同じ権利があるはずだ。

■ダグラス・マッカーサー=アメリカ人。日本占領連合軍最高司令官。
1951年(昭和26年)5月3日、アメリカ合衆国議会上院の軍事外交合同委員会で行われた証言

 日本は八千万に近い膨大な人口を抱え、それが四つの島の中にひしめいているのだということを理解していただかなくてはなりません。その半分が農業人口で、あとの半分が工業生産に従事していました。

 潜在的に、日本の擁する労働力は量的にも質的にも、私がこれまでに接したいずれにも劣らぬ優秀なものです。歴史上のどの地点においてか、日本の労働者は、人間は怠けている時よりも、働き、生産している時の方がより幸福なのだということ、つまり労働の尊厳と呼んでもよいようなものを発見していたのです。

 これほど巨大な労働能力を持つているということは、彼らには何か働くための材料が必要だということを意味します。彼らは工場を建設し、労働力を有していました。
 しかし彼らは手を加えるべき原料を得ることができませんでした。

 日本は絹産業以外には、固有の産物はほとんど何も無いのです。彼らは綿が無い、羊毛が無い、石油の産出が無い、錫(すず)が無い、ゴムが無い。その他実に多くの原料が欠如している。そしてそれら一切のものがアジアの海域には存在していたのです。

 もしこれらの原料の供給を断ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであろうことを彼らは恐れていました。したがって彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。


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