2007.10.16 Tuesday 00:42
くっくり
何人かの勇士が病床を離れるまでに、彼を倒した弾丸よりもずっと深く、恋の矢が彼の胸に突き刺さっていたのである。ロシア兵が先頃の戦争で経験したように、過去のすべての歴史において、敵と戦った兵士がこれほど親切で寛大な敵に巡り合ったことは一度もなかったであろう。それと同時に、どこの国の婦人でも、日本の婦人ほど気高く優しい役割を演じたことはなかったのではあるまいか。
1924年(大正13年、最後の来日)、神戸高等女学校において神戸商業会議所外5団体に行った「大アジア主義」と題された講演より
日露戦争の開始されました年、私は丁度欧州に居りましたが、或る日東郷大将が露国の海軍を敗った、露西亜が新に欧州より浦塩に派遣した艦隊は、日本海に於て全滅されたと言うことを聞きました。此の報道が欧州に伝わるや全欧州の人民は恰も父母を失った如くに悲み憂えたのであります。
英国は日本と同盟国でありましたが、此の消息を知った英国の大多数は何れも肩を顰め、日本が斯くの如き大勝利を博したことは決して白人種の幸福を意味するものではないと思ったのであります。これは正に英語でBlood is thicker than water〈血は水より濃い〉と言う観念であります。
暫くして私は船でアジアに帰ることになり、スエズ運河を通ります時に、沢山の土人が、共の土人はアラビヤ人であったようですが、私が黄色人種でありますのを見て、非常に喜び勇んだ様子で私に〈お前は日本人か〉と問いかけました。私は〈そうではない。私は中国人だ。何かあったのか、どうしてそんなに喜んで居るのか〉と問いましたところ、彼等の答えは〈俺達は今度非常に喜ばしいニュースを得た。何でも日本はロシアが新に欧州より派遣した海軍を全滅させたと言うことを聞いた。この話は本当か。俺達はこの運河の両側に居て、ロシアの負傷兵が船毎に欧州に送還されて行くのを見た。これは必定ロシアが大敗した一風景だと思う。以前我々東洋の有色民族は何れも西洋民族の圧追を受けて苦痛を嘗めて居て、全く浮かぶ瀬がないと諦めて居たが、今度日本がロシアに打ち勝った。俺達はそれを東洋民族が西洋民族を打敗ったと見做すのだ。日本人が勝った。俺達はその勝利を俺達自身の勝利と同様に見るのだ。これこそこおどりして喜ぶべきことだ。だから俺達はこんなに喜んで居る、こんなに喜んで居るのだ〉と言うことでありました。
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