Nスペ「激流中国『チベット』」

2007.10.09 Tuesday 00:16
くっくり




 買いつけが終わり、チュレさんは久しぶりに家族と過ごすことにしました。

 チュレさんの家は羊や牛、およそ500頭で生計を立てています。
 5人の兄弟と父親は夏の間、放牧に出かけ、家には妻(ブチさん(24))と子(長男ポルドちゃん(3))、そして母親が残っています。

 かつての一家の年収は、家畜を売って手に入るおよそ3万円が全てでした。
 チュレさんは、家族のために新しい家を建て、生活を豊かにしたいと町に出稼ぎに出たのです。

image[071007-21kazoku.jpeg]母親
「お給料は?」

チュレさん
「月に2万円もらえるよ。あそこで2、3年働いて仲買の商売をしようと思うけど、家族のみんなは許してくれる?」

ブチさん
「反対してもいいの?」

母親
「商売には手を出さないで欲しいよ。あんたには難しくてできないだろう」

チュレさん
「どんな仕事だって難しいよ。ぼくが商売を始めたら、もっと生活も良くなるし、家も立派になるじゃないか」

 仏教の教えを深く信じてきた家族。
 商売の世界に足を踏み入れようとするチュレさんが気がかりです。

母親
「わたしはいつもお祈りしているよ。お釈迦さま、わたしの子をお助けくださいとお祈りしているよ。あんたは悪い人の言葉を聞いて、悪いことには手を出さないでね。商売といったって、わたしにはよく分からないんだよ」


 チベット自治区に鉄道が開通して1年。
 経済発展は一段と加速しています。

 今年8月、ラサ市で、多数の企業が契約を結ぶ合同調印式が開かれました。
 市が中心となって、国内外のビジネスや投資を積極的に招こうというものです。
 北京や重慶などの大手企業や外資系企業が相次いで進出しています。

image[071007-22kigyo.jpeg]市側の代表者(?)のスピーチ
「ラサ市はビジネスや投資の誘致を何よりも重要課題としてきました。ラサの巨大なビジネスチャンスはまさに鉄道開通のおかげであります」


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