Nスペ「激流中国『チベット』」

2007.10.09 Tuesday 00:16
くっくり



チュレさん
「最近、多くの人が仲買の商売で裕福になっているのを見ると、わたしにもできるのではないかと思えるようになりました。でもわたしは、いなか者だから、まだ商売を始める元手がありません。これから頑張ってお金をためて、いつか商売をしたいと思います」


 チュレさんは張社長に一つの注文を出されました。

張暁宏社長
「ここには売れるような仏像やタンカはあるのか?」

チュレさん
「ないと思います」

張暁宏社長
「ここの村人たちは家に仏像などをまつらないのか?」

チュレさん
「あるにはあるんですが…」

張暁宏社長
「仏像はあるけど、売りたくないんだな」

 売ればかなりのお金になる仏像やタンカ。
 近年、チベット各地で手放す人が現れています。
 しかし、この村の人々にはまだ抵抗がありました。

 (村人が集まっている屋内)

取材班
「仏像は売らないのですか?」

村の男性E
「あるけど売らないよ」

村の男性F(若者)
「チベット人ならだれでも仏像の商売は気にする。そんなことをする人に良い印象はないよ」

取材班
「生活に困っても売りませんか?」

image[071007-20murabito2.jpeg]村の男性F(若者)
「親からもらったものだからね」

村の男性G(若者)
「おれは手をつけないよ」

 仲買の商売に興味を持つチュレさんとしても、それ以上は言えません。

チュレさん
「わたしはチベット人だから、仏像やタンカを売ってくれとはなかなか言えないのです」

 ひたすら来世での幸福を願うチベット仏教は、物やお金に対する執着を厳しく戒めてきました。
 伝統を守る思いと、より豊かな生活を求める思いが、人々の間で揺れています。


 張社長がこの村で買うことができたのは、古い箱と数点の銅製品でした。

取材班
「この村はどうでしたか?」

張暁宏社長
「村人はたくさん来たが、たいしたことない物ばかりだった。ここの村人は、ビジネスの意識がまだそれほど高まっていないのだ」

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