Nスペ「激流中国『チベット』」

2007.10.09 Tuesday 00:16
くっくり


 子供の頃から故郷の村で音楽に親しんできました。

 ここではチベット各地のさまざまな演奏を身につけなければなりません。
 毎日2時間の練習が課せられます。

 来月からは、社長の方針を受けて能力別に給料が決まる新たな制度が導入されます。
 しかし能力給とは何か、チュレさんたちには実感が湧きません。


 夜11時。仕事が終わりました。
 チュレさんの給料は月におよそ2万円。ほとんどを家族のもとに仕送りしています。

 宿舎はホテルからあてがわれた4人部屋です。故郷の仲間と暮らしています。

 これまで遊牧民として生きてきたチュレさん。
 慣れないことが多いホテル勤めの中、心の支えにしているものがあります。
 チベットの小さな仏像です。

image[071007-11butuzo.jpeg]チュレさん
「お金では買えないものですよ」

取材班
「身につけないのですか?」

チュレさん
「ホテルでは、いろいろな衣装を着て汚れてしまうから。村ではこうして、首にかけて身につけていたんですけどね。いま、わたしにできるのは祈ることぐらいです。頑張ってお金をためて、親に恩返しができますようにと」


 7月、寺の僧侶がホテルにやって来ました。
 開業1周年の儀式です。

 チベットには家や会社に僧侶を迎え、加持祈祷の法要を営む習慣が古くからあります。
 ホテルの無事とさらなる発展を祈願します。
 チベット産の麦を水でこね、ドマと呼ばれるお供え物を用意します。

 チベットの法要に欠かせない神聖な作業が続きます。
 その様子をじっと見ていた張社長。一つのアイデアがひらめきました。

image[071007-12houyou.jpeg]張暁宏社長
「(僧侶らが作業をしている横で部下に)法要をお客に見せてお金を頂くというのはどうだ。3万円くらいかな。客は安いと思うだろう。法要のようすは写真にも撮っておくんだ。わかったか。この企画で進めるぞ。日本人は仏教に関心があるから、法要を求めてくるかもしれない」


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