日朝作業部会まとめと拉致問題停滞の内的要因

2007.09.08 Saturday 01:39
くっくり



 というのも、同じ「諸君!」10月号、特定失踪者問題調査会代表でもある荒木和博・拓殖大学教授が、【安倍総理は開き直って「拉致解決」に邁進する】と題された中川昭一議員(当時は自民党政調会長)との対談の中で、次のように発言しているのです。

 失礼を承知であえて申し上げますが、何十年もの間、日本の政治の構造自体が拉致問題の本質を隠蔽してきたのではないかと私は疑っています。自民党だけでなく、現在の民主党、他の政党の人たちも含め、拉致という、取り組めば間違いなく戦後政治の矛盾につきあたる問題を国民の目から隠してきた。この構造が変わらないまま、その上に安倍政権が乗っかった形になっている。まず根本にある体質を変えないと、問題解決は非常に難しい。

 もちろん民間のほうにも原因はあります。去年九月、安倍政権が発足した際、われわれは非常に大きな期待を抱きました。今まで拉致問題に率先して取り組んできた人が総理大臣になり、総理自身を本部長とする「拉致問題対策本部」が内閣に設置された。さらに拉致被害者や家族の方々に信頼の厚い中山恭子さんが担当補佐官になって、体制も整った。

 ところが同時に、「もう大丈夫だろう」という意識が芽生えてきたんですね。家族会発足から十年、中川さんたち拉致に取り組む政治家のバックアップを受けながらも、自分たちの手で何とかして解決への道筋をつけようと支援者たちも肚をくくってやってきました。それが世論も含め、「安倍政権ができたのだから、もう任せておけばいい」という雰囲気になってしまった。そのことに危機感を持って、「安倍政権であってもおかしな方向へ行くことがないか、冷静に見つめていくべきだ」と訴えてはいるのですが、拉致問題への関心が高い人には安倍政権に対する信頼感の強い人が多いようで、その結果、国民的運動としての運動量、一般の関心はむしろ低下したように思えてなりません。

 このくだりを読んで、私はハッとしました。
 有本嘉代子さん(有本恵子さんのお母さん)が似たようなことをおっしゃっていたのを思い出したからです。

 拙エントリー7/12付:「アンカー」有本恵子さんご両親インタビューからプレイバック。

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