「日本の、これから」第一部(1)

2007.08.18 Saturday 00:40
くっくり



高坂節三 元 経済同友会憲法問題調査会委員長【1】
「今あの、いくつも考え方あるんですが、さっき(VTRで)湾岸戦争の時に、日本が憲法があるから軍隊が出せない、自衛隊が出せないという手紙を出したところ非常に反応があったということで、そのこと自体は大変結構なことだと思うんですね。ただ、ちょうどその時僕はニューヨークにいまして、それで湾岸戦争の時に、ペルシャ湾を航行しているタンカーの6割以上が日本向けのオイルタンカーだったんですね。で、もしも日本が、確かに個人的にはあれですけれども、実際にそういうこと続けていった時に、日本は油すら自給できなくなる恐れがあるということで、やっぱり世界にこれだけ日本の国力が強くなって、昔のように何でも自給してた時代じゃなくて、世界に依存しなければ生きていけないような経済構造になっている。それに応じて、先ほどのような、日本の自衛力が非常に力があるんだといっても出せないと。そういうようなことで日本の本当の安全が守れるのか、あるいは日本のシーレーンが確保できるのか。世界から入ってくる物に対して十分な対応ができるのかと。こういうのが体験的な議論です。他にもいろいろありますが」

伊勢崎賢治 東京外国語大学大学院教授【2】
「僕も自分の経験からものを言わなきゃいけないと思うんですが、過去10年間に国連PKOで多国籍軍で文民統轄したり、そういう立場にあって、つい最近まではテロ特措法の延長云々で話題になってるアフガニスタン、破綻国家の軍事を扱う仕事をずっとしてたんですね。当時はアメリカ軍とも非常に緊密な協力関係で、あそこの治安をいかによくするかってことで、日本政府の代表としてやってたんですけれども、その時に、これは日本にあまりよく知られてないので奇異に感じられるかもしれませんが、アメリカが日本の憲法第9条で培った国としてのイメージを利用して、アメリカにできないことをアフガンで日本がやったんです。これは軍閥の武装解除なんですけども。これは軍事的な対アメリカの大変いい貢献でして、対米協力ということで。アメリカも軍事的にこれを評価しているということ。日本は武装した自衛隊を使わずお金と口だけでやって、アメリカはそれを認識してそれを応援してそれを使いながらやったっていうことなんですね。これは憲法9条が培ってきた日本人の匂いとか、我々のカラーを非常に肯定的に前進した形で利用した一つの例。そしてこれは対米協力であるということ。もちろんイラク戦とかアフガン戦の戦争の意義ということはまず根本的に問われなきゃなりませんけれども、それを別として対米協力という面において、9条のいい点が活かせたということがありまして、そこは僕は自分の体験を持って言えると思います」

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