オバマ大統領の広島訪問を基本的に歓迎します

2016.05.20 Friday 02:39
くっくり



 決定的だったのは、4月にケリー国務長官がG7の外相の一員として広島を訪れたことでしょうか。

 ケリー国務長官は、原爆資料館を訪れ、原爆慰霊碑に献花をし、「誰もが広島を訪れるべきだ。アメリカの大統領もここを訪れてほしい」とメッセージを発しました。
 これは、自国民の反応を見るアドバルーンでもあったようです。

 微妙な問題なので、何かひとつでもボタンの掛け違いが生じていたら、大統領の訪問は実現しなかったかもしれません。


 私はふだん親米でも反米でもないですが、原爆投下や空襲で民間人の大量虐殺を行ったという点については、とことん反米です。

 特に原爆投下、これはまさに悪魔の所業です。

 原爆の被害は、投下直後だけでなく、長い年月に及んでいます。

 こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」という広島原爆がテーマの漫画があります(以前紹介しました)。

 周囲に被爆者や関係者がいない私は、この漫画でそれを追体験することができました。

 第一部の主人公の女性は、被爆から10年後に後遺症で亡くなります。
 今際の際の彼女の言葉(モノローグ)は、こういうものでした。

  【十年経ったけど
   原爆を落とした人はわたしを見て
   「やった!またひとり殺せた」とちゃんと思うてくれとる?
   …ひどいなあ
   てっきりわたしは死なずにすんだ人かと思ったのに】

 第二部は、彼女の生き残った家族と子孫の物語(昭和62年と平成16年が舞台)ですが、彼らも原爆の影響とは無縁ではいられませんでした。



 漫画を例に引きましたが、現実も同じです。
 原爆の「傷」は、今も残っています。
 本人だけでなく、子孫や周囲の人も巻き込んで。

 それでも、アメリカ側に無理に謝罪を求めない日本側(被爆された方や遺族や今も苦しんでいる方々)の姿勢を私は素晴らしいと思っています。

 過去よりも、未来を考えてほしいという姿勢。
 もちろん内心、忸怩たる思いでいる方も多いとは思いますが…。

 もし、日本側から謝罪を求めるような動きが少しでもあれば、オバマ大統領の広島訪問は見送られていたでしょう。

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