『イスラム国』を利する日本人を憂う

2015.01.26 Monday 19:08
くっくり



 実際、26日の「ミヤネ屋」でヨルダンの現地記者が伝えたところによれば、ヨルダン国民の圧倒的多数の声は、「日本人人質解放のためにリシャウィ死刑囚を釈放してもいいが、まずはヨルダン人の人質を解放してほしい」だそうです。

 私がヨルダン人だったら、やはり同じことを思うでしょう。

 しかも、後藤さんは湯川さんの救出のためとはいえ自ら望んで「イスラム国」の支配地域に入っていった(とみられる)人であり、一方、こちら(ヨルダン)は国の命令を受けた戦闘の中で捕らえられてしまった人なんですから。


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 私は今回のことが起こるまで、ヨルダンについて全くと言っていいほど知りませんでした(今もあまり知らないけど)。

 中東は親日国が多いですが、とりわけヨルダンはそうらしい。

 アブドラ国王は特に親日家で、これまで11回も日本に来ています。
 うち2回は私的な訪日だったそうです。

 今月18日、安倍総理はヨルダンの首都アンマンでアブドラ国王と会談しています。

 この時、安倍総理は、「イスラム国」の影響で難民がヨルダンにたくさん流入していることを踏まえて、約120億円の経済支援を行う方針を表明しました。

 過去にも日本はヨルダンに多くの支援をしてきており、直近の3年間のODAの額で言うと、2012年度は約8億円、13年度は約39億円、14年度は約24億円だそうです(外務省HPによる)。

 実はヨルダンは過去にも服役囚を釈放して、イスラム原理主義テロ組織に捕らわれた人たちを救出してきた実績があります。

 が、現在は「イスラム国」に対し、有志連合の一員として空爆を行っています。

 「イスラム国」の要求をのむ形でリシャウィ死刑囚を釈放してしまうと、有志連合の足並みが乱れる恐れがあります。

 それでなくても、これまでヨルダンは「イスラム国」には厳しい姿勢を取ってきたわけで、それを緩めると、政策が足元から揺らぎかねない事情もあります。

 要求をのむことで、テロがさらにエスカレートする危険性があることは言うまでもありません。

 日本とヨルダンは、政府だけでなく、国民同士の感情も今後つらい状態になっていくかもしれません。

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