ドイツ移民政策の明暗に学ぼう!中国人大量割り込みが日常風景になる前に

2014.09.29 Monday 18:16
くっくり


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「汚い仕事」は外国人ばかり

 現在のドイツには多種多様な外国人が共存している。12年、ドイツに移住してきた人は、出国した人より40万人多かった。最大はEUの加盟国からの流入で、全体の3分の2。ドイツの外国人は、毎年、確実に増えているのである。

 外国人の多い社会は、それなりの利点と欠点がある。利点は、もちろん労働力の確保だ。EUからの流入は、多い順にポーランド、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリーだが、たとえば、病院や老人ホームの介護部門は、この4カ国の女性がいなければ崩壊するといわれるほど人手不足が進んでいる。建設業も農業も清掃業もそうだ。きつい仕事や汚い仕事は、40年来、外国人の手に拠っているといえる。

 一方、最高の傾向としては、熟練労働者や高度な技術者も極度に不足している。ドイツの団塊の世代(出生数は55年から伸び始め、64年に最高に達する)の退職は徐々に始まっており、それに少子化が重なるため、このままいくと、10年後には年間の退職者数が、新しく職に就く人の2倍になると予想されている。そうなれば、今の産業の水準を保つことは到底できない。ちなみに02年の出生数は64年の半分である。

 もちろん、ドイツ人の失業者を優先的に雇用しようという動きはある。しかし、実際問題として、失業中のドイツ人の中には、企業側が欲しい人材が少ない。当たり前のことではあるが、雇用は頭数が合えばよいというものではないのだ。

 いずれにしても、前述の東欧4カ国からは、単純労働者から医者まで、様々な職種の人々がやって来る。10年の統計では、ドイツで働くルーマニア人とブルガリア人は若く、しかも40%が大卒、つまり、極めて質の良い労働力だ。また、ここ数年は年金危機のため、イタリアやスペインなど南欧の優秀な人材も集まって来た。こうした外国人の流入は、企業はもちろん大喜びだし、政府も、税収が増え、社会保障や年金の健全な運営にも繋がるとして大歓迎だ。EUの原則は、「人、物、お金、サービスの自由な移動」であるから、この減少はEUの成功の表れともいえる。

 また、EU以外の国の労働者も多い。トルコ人はもちろん、旧ユーゴ、そして、チュニジアやモロッコなどアフリカ人も多く定着している。労働者を斡旋する業者は数々あるし、ゼネコンや大企業は、そのための独自の子会社を持っていることも多い。

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