2013.11.25 Monday 00:42
くっくり
歌の神様は、一世を風靡(ふうび)した歌手がこの世を去る間際に、素晴らしいプレゼントを贈るのが、お好きなようである。
美空ひばりさんには「川の流れのように」、石原裕次郎さんには「我が人生に悔いなし」を。そして島倉千代子さんは、亡くなる3日前に「奇跡の歌声」(南こうせつさん)で、「からたちの小径(こみち)」をレコーディングした。
島倉さんのヒット曲は数あれど、代表曲を1つだけ選ぶとすれば、「東京だョおっ母さん」(昭和32年)を挙げたい。
老いた母を故郷を出て久しい娘が東京見物させる、という野村俊夫さんの歌詞に、船村徹さんのメロディーがぴったりとあい、150万枚の大ヒットとなった。
だが、35回も出場したNHK紅白歌合戦で、島倉さんが「東京だョおっ母さん」を歌う機会はついぞこなかった。
この話は、先月19日付の産経抄でも書いているが、こんなに早くお千代さんが旅立ってしまうとは夢にも思わなかった。なので、故人を偲(しの)び、いま一度詳しく書くことをお許し願いたい。
ではなぜ、NHKは、この曲を毛嫌いしたのだろうか。
関係者に聞くと、「やはり2番が引っかかったのでは」という。歌詞は、1番で母娘が皇居前広場で記念写真を撮り、2番で戦死した「やさしかった兄さんが」待つ九段(靖国)に向かう。この部分が、問題視されたと推測される。
推測なのは、今に至るまでNHKが明確な理由の説明をしていないためである。さきの関係者は、「放送局はNHKだけじゃない。民放でどんどん歌えばいいじゃないか」と彼女を慰めたという。
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