「はだしのゲン」より、こうの史代さんの漫画をお薦めします
2013.08.12 Monday 17:28
くっくり
が、やがて読者は七波とともに、その旅の意味に気づいていきます。
原爆の「傷」は被爆者だけでなく、家族や周囲の人にも、長く、深く、刻まれ続けます。
この作品は、その現実を静かに描写しています。
決して押し付けるのではなく、読者それぞれに、自由に考えて下さいと呼び掛けているようです。
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「この世界の片隅に」は、原爆に特化したものではなく、戦時下全般の物語です。
こちらは広島県呉市が主な舞台です。
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主人公は「すず」という、絵を描くことが好きな、おっとりとした若い女性です。
昭和19年2月、実家のある広島市から呉市に嫁いで来ました。
戦時下の庶民の暮らしをユーモアを交えながら描いた作品です。
世俗などを図解で説明してあり、当時の生活を知る一助になります。
反戦ドラマではよく、戦時下の日本人はみな余裕がなく、まるで毎日が生きるか死ぬかだったかのような描写がされたりしますが、この漫画ではそういうことはありません。
もちろん戦時下ですから、生活上のいろんな制限がありますし、義務もあれこれ課されていますし、時には憲兵に怒られたりもしますし、空襲にも見舞われますが、そんな中でも人々がそれなりに日常を楽しんでいたことを教えてくれます。
(さすがに終戦間近になってくると、身近な人の死など不幸の描写が増え、ユーモアの場面は減っていきますが)
「すず」がかつて好きだった幼なじみの水兵、夫の周作がかつて好きだった遊郭の女性、それぞれの切ない恋物語も織り込まれています。
この作品も全編通じて淡々とした描写ですが、戦争の怖さや理不尽さ、原爆の残虐さが十二分に伝わってきます(「すず」自身は被爆はしません)。
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私が一番、ゾッとしたというか、何とも言えない感情に襲われたのは、「すず」の近所のおばさんのエピソードです。
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