日本よ、これがスーチーだ

2013.04.22 Monday 19:52
くっくり



 しかし、この間、西側諸国は、ミャンマーが「軍事政権」であるが故に、援助を停止していたのだ。特にアメリカは「制裁」を実施していた。我が国も、この西側の動きに追随して独自の行動をとらず援助を停止した(但し、我が国は人道援助は実施していた)。
 この状況で特にミャンマーを苦しめ、また、腹に据えかねる思いにさせたのは、アメリカとイギリスの民主化要求と制裁だと思う。何故なら、独立後の内戦を必然的にする残酷で非民主的な植民地支配をしていたイギリスが民主化を要求する等は許されないではないか。また、アメリカの制裁はミャンマーの縫製業を中心とする国内産業に打撃を与え、失業の増加と外貨不足をもたらした。さらに、この英米に気に入られてミャンマー国民を苦しめる措置を歓迎し、日本からの人道援助も非難していたのが、イギリスで育ちイギリスに家族と家を持つスーチー女史であった。そして、ミャンマーは世界最貧国に低迷し続ける。

 ところで、英米は、苦しみながらも民主化のプロセスを歩もうとするミャンマーには制裁を課し、民主化など全く考えようともしない中共や北朝鮮には民主化要求などしていない。
 これを彼らのダブルスタンダードという。要するに、英米にとって、民主化要求は外交手段で相手を支配する方便に過ぎない。従って、英国や米国のミャンマーへの制裁をミャンマーは「第二植民地主義」(キン・ニュン第一書記)と受け止めた。
 当然である。
 そしてこの中で、馬鹿を見た見本が日本であった。我が国は、英米の民主化要求を額面通りに受け取って追随し援助停止を続けたものだから、アジアのもっとも親日的な国ミャンマーを中共の懐に追いやってしまったのだ。中共は今や、ミャンマーを経てインド洋に進出して、そこに海軍力を展開するところまできている。

 本当にミャンマーが民主化するのを望むのならば、最貧国にして内戦で苦しむミャンマーに惜しみなく援助を与えて励ますべきであった。英米にも我が国にもその力はあった。
 私には、西側の制裁と援助中止は、ミャンマーの国民を苦しめ民主化の歩みを停止させたとしか思えない。
 しかし、ミャンマーの「軍事政権」は、サイクロンの被害直後に予定通り新憲法採択のための国民投票を実施して国民から新憲法案の承認を受け、2010年には複数政党制による総選挙を実施して民政に移管すると発表している。つまり、現政権は、キン・ニュンなきキン・ニュンの民主化ロードマップを忠実に実行してきている。

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