2013.04.22 Monday 19:52
くっくり
さて、「日本も今や軍政との間に太いパイプをもたない」という。これははっきり言うが、日本外交の怠慢である。日本外交が戦略眼をもたず、漫然とアメリカさんやスーチー女史になびいていたから、パイプがなくなったのである。つまり、東京の戦略なき怠慢が、ミャンマーを中国側に追いやり、現地でのパイプをなくしたといってよい。
ミャンマーは心温まる親日国で、軍事政権も一貫して日本に熱いまなざしを向け、援助を期待していた。しかし日本は、「民主化」を要求して援助を打ち切って放置した。そして、援助再開の動きも、その都度アメリカ国務省のご意向に従って封印された。
その間、日本は、正真正銘の軍事政権である北朝鮮や天安門事件以降の中国に対しては、巨額の援助を続けていたのである。
なお、一口に「軍事政権」というが、北朝鮮や中国とミャンマーを一緒にできない。前者は民衆の生活よりも独裁者と共産党が核やミサイルを保有し巨大な軍隊を維持するための軍事政権である。これに対して、ミャンマーは、貧しさの中からの国造りのための軍事政権である。丁度日本の明治維新から自由民権運動と国会開設までの政権の雰囲気と思えばいいのではないか。
また、治安は日本より良い。貧しいけれども、市場で働く子供が札束を持って歩いていても盗られない。仏教の穏やかな教えと喜捨の精神が生きている。親の子殺しも子の親殺しもない。
(中略)
とはいえ、日本政府はミャンマーへの援助を全面的に止めたのではなく、人道援助は遠慮がちに続けていた。しかし、スーチー女史は、日本の人道援助も軍事政権を喜ばすだけだと激しく非難していた。
(だいたい、こういう非難が出来ること自体、ミャンマーの「軍事政権」が、中国や北朝鮮と違い自由があるという証拠である)
そこで十年ほど前に、私は、日本のポリオ生ワクチン援助が如何に行われているかミャンマーの田舎に見に行った。
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