北が拉致を認めて10年…横田さんご夫妻の苦悩に胸が痛みます
2012.09.15 Saturday 01:44
くっくり
「『遺言』の書評を、という依頼があるかと思ったら、どこからもなかった。善意に解釈すれば、この沈黙は、拉致事件の解決に向け制裁強化に取り組んでいる保守陣営が、『制裁緩和』を言う滋さんの意見をあえて回避したのではないかと言えなくもないが、悪く言えば自分たちに都合の悪い意見には耳を貸したくないだけともとれる。拉致問題に取り組んできた政治家や言論人がこの本を無視、沈黙することは許されないはずだ」
これは非常に難しい問題です。
三浦氏の言うように、都合の良い意見(北への強硬論)を言う人の話には耳を傾けるが、都合の悪い意見(北への融和論)を言う人の話は無視するというふうに、保守系の政治家やメディアが被害者家族への態度を変えているのだとしたら、アンフェアな話です。
が、政治的に見た場合、どうでしょうか。
拉致事件の象徴的存在である横田めぐみさんのお父様である滋さんが、北朝鮮に融和的な姿勢を見せているとなれば、北朝鮮にとっては狙い目です。
滋さんを狙い撃ちし、揺さぶる作戦を取ってくるのではないでしょうか。
また、日本の世論はどうなるでしょうか。
滋さんが北朝鮮への制裁緩和や対話を望んでいることが大きく伝えられれば、「お父さんが望んでるのなら、そうしてあげれば?」という声が高まってしまうのではないでしょうか。
が、現実的に言って、北朝鮮のこれまでの拉致問題への対応を振り返った時、制裁を緩めて対話の場に引き出したところで、そう簡単に歩み寄るとは考えにくいですよね。
特に、中国、韓国、ロシアなど近隣国に舐められきっている今の民主党政権では。
実際、8月末に4年ぶりに日朝政府間協議が始まりましたが(この時は課長級の実務会議。今後は局長級にレベルを上げて継続)、日本の情報当局者は「議題になってもその先は望めない。日本政府は舐められている」と見ています(9月5日放送の関西テレビ「アンカー」 による)。
もしも本当に保守陣営が拉致問題に与える悪い影響を心配し、「制裁緩和」を言う滋さんの意見をあえて回避したのだとすれば、それは苦渋の決断でやむを得なかったのかもしれないと私は思います(この私の意見も「苦渋の決断」です)。
[7] << [9] >>
comments (13)
trackbacks (0)
<< 「アンカー」W党首選へ!細野不出馬の真相は?新政権(実質、自民党新総裁)に求めていくことは?
「約束の日-安倍晋三試論」安倍政権のあの叩かれ方は何だったのか? >>
[0] [top]