両陛下ご訪英と日英友好秘話(チャーチル首相とフォール卿の尽力)

2012.05.19 Saturday 02:20
くっくり


 
 ご訪英に先立ち5月11日に発表された天皇陛下の御言葉の中に、このようなくだりがありました。

 女王陛下の戴冠式が行われたのは,戦後,日本との平和条約が発効した翌年,1953年6月のことでした。当時19歳の私は,昭和天皇の名代として式に参列し,その機会に欧米諸国を訪問いたしました。様々なことを学び,経験した旅でしたが,戦争により荒廃した国土から訪れた者として,訪問した多くの国の人々が豊かに生活していることに胸をつかれ,そのことが深く心に残りました。

 当時の英国の対日感情は,厳しい状況にあると聞いており,事実,英国の一地域においては訪問が受け入れられなかったような事態もありましたが,チャーチル首相始め,知日英国人,在英大使館員などの尽力により,私自身はそのような雰囲気をあからさまに感じるようなことに遭遇することはありませんでした。関係者の心配りによるものであったことと思います。

 戴冠式では女王陛下を始め,英国の王族,外国からの代表とお会いし,興味深く,楽しい時を過ごすことができました。それからほぼ60年,女王としてのお務めを今もお元気に果たしていらっしゃる女王陛下に,この度お祝いをお伝えする機会を持てますことを誠にうれしく思います。

image[120518-01taikansiki.jpg]

【1953年(昭和28年)6月2日、エリザベス二世女王陛下の戴冠式に出席された今上陛下(当時の皇太子殿下)】

 今上陛下(当時の皇太子殿下)が昭和天皇の名代としてエリザベス二世女王陛下の戴冠式に出席された1953年(昭和28年)当時、イギリスでは大東亜戦争中に旧日本軍の捕虜となった元イギリス軍将兵たちを中心に、反日感情は極めて強いものがありました。

 英大衆紙が激しい反日キャンペーンを繰り広げており、特に主導していたのはデイリー・エクスプレス紙でした。

 そこでチャーチル首相(当時)は特別な昼食会を催しました。

 大衆紙の激しい反日キャンペーンを「静かにさせる」ため、新聞社の社主らと今上陛下を引き合わせようということで企画したのです。

 このことは、英公文書館が2002年1月までに公開した機密文書(1971年1月に当時のピルチャー駐日英大使が英外務省にあてた文書)により明らかになりました。

[7] beginning... [9] >>
comments (6)
trackbacks (1)


<< 「アンカー」復帰40年沖縄の実情と陛下の思い&尖閣問題で誘導する朝日
日食と神話と歴史 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.04R]