-言葉の力 - PRAY FOR JAPAN&朝日新聞縮小版東日本大震災

2011.05.21 Saturday 01:23
くっくり


 ツイッターやフェイスブックを通じてWeb上に寄せられたメッセージを集めたサイト『prayforjapan.jp』。大学生の男性が東日本大震災発生の夜、栃木北部の停電中の一時避難所で立ち上げました。

 それを「本」という形で「10年後も20年後も、親から子どもに語り継がれるものを作りたい」ということで生まれたのが、この『PRAY FOR JAPAN ‐3.11世界中が祈りはじめた日‐』です。
 ちなみにこの本では、1つ1つのメッセージ全てに英訳文が添えられています。

 「言葉の力」とよく言いますが、こんな未曾有の地震や津波に襲われて、家族や大切な人を失ったり、住まいや職場を失ったり、明日の食事すらどうなるか分からず、寒さに震えてる、そんな切迫した状況にいる被災者の方々に、果たして「言葉」は届くものなのだろうか?

 私と同じようなことを考えた方は、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

 関東大震災の時にもこの種の議論はあったそうです。
 産経新聞5/9付【国語逍遥】で、清湖口敏氏(せこぐち・さとし。産経新聞東京本社編集局校閲部長)が紹介しています。

 内容を要約しますと……

 関東大震災で被災した文壇の大御所・菊池寛は、文芸の無力を嘆き、こう記しました。
 「生死の境に於ては、ただ寝食の外必要のものはない。食うことと寝ることだ」
 「『パンのみに生くるものに非(あら)ず』などは、無事の日の贅沢だ」

 小説家の広津和郎は、そんな菊池寛にこう反論しました。
 「火に責められているものには水こそ救いであり、餓(うえ)に泣いているものにはパンこそ救いであり、それと全く同じ意味で、芸術の渇きを感じているものには、芸術こそ救いである。それは別々に考えなければならない」

 清湖口氏はあらためてこの一節を読み返しつつ、再確認したそうです。

 生死の境においては水も食料も確かに重要ではあるが、それでも切実に「言葉」を待っていた人もいたろうし、「言葉」によって生きる力を取り戻した人も少なくなかったに違いない、と。

 そして、実際に、今回の震災報道においても、人の命を助け、沈む心を奮い立たせるような魂の響きにあふれた言葉がしばしば目についた、と。

[7] beginning... [9] >>
comments (15)
trackbacks (2)


<< 「アンカー」菅・小沢抜きの連立政権を目指す超党派の動き
詐欺師とヤクザは笑顔で近づいてくる 中韓首脳の被災地訪問と会談 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.04R]