2006.07.17 Monday 03:18
くっくり
「私は日本の首相が(靖国)神社を訪れるべきではないとは強く思っていません」
二重否定の文章である。「訪れるべきではない」ことを「思っていない」というさらなる否定なのだから、訪れても構わない、つまり参拝にはとくに反対ではない、という意味となる。
これこそ重要なニュースだと思った。
日本国内の靖国参拝反対派の朝日新聞、TBS、自民党の加藤紘一氏、評論家の立花隆氏らが「米国でも靖国反対が多くなってきた」という不正確な主張を展開するときに、ほぼ唯一の金科玉条の論拠としてきたのが「ハイド議員の反対」だった。同議員が昨年10月に加藤良三駐米大使あてに、今年4月にデニス・ハスタート下院議長あてに、それぞれ出した書簡で日本の首相の靖国参拝への反対や批判を表明したのだとされていた。ただし肝心の書簡を実際に読んだうえでの直接引用の「反対」表明はどこにもみあたらなかった。
そんなところにTBSが初めてハイド議員本人の靖国参拝に関する言葉を正式のインタビューではないにせよ、報道したのである。そしてその内容が「反対ではない」という意味だったのだ。靖国反対派の最大の論拠の「反対」が実は「反対ではない」のだとわかれば、大ニュースのはずである。ところがそうはならなかった。
報道当事者のTBSが参拝反対の意見を強く打ち出しているのだから、その反対の根拠が崩れたことをニュースにはしにくいのだろう。だがそれだけではなかった。TBSはハイド議員の「反対ではない」という趣旨の発言を正反対の意味に訳したセリフを画面に掲げたのだ。
「私は日本の首相が靖国神社に行くべきでないと強く思っています」
これなら確かにハイド議員は首相の靖国参拝に明確に反対したといえよう。だが同議員の元の発言はその意味とはちょうど逆だったのである。だからTBSに誤訳を指摘する抗議が殺到した。多数のブログやチャットルームの2チャンネルから沸き起こる抗議はものすごく、「捏造(ねつぞう)だ」と糾弾する声も少なくなかったという。確かに「I don’t feel strongly that…」という構文を「I feel strongly that…」という意味に誤訳することなど、中学生の英文和訳でもミスとしてはまず起きない。だから捏造という指摘が起きるわけだ。
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