東北のものづくり産業を守れ!

2011.04.18 Monday 21:27
くっくり



・もう1つの理由は、5人でやっている工場に行っても、生産プロセスを眺めていると、「なるほど、こいつは芸が細かい」と感じる工夫が至るところにある。そうでなければ、今日まで生き残ってこれなかったのだろう。

・実は日本の中小企業というのは、恐らく皆さんが考えていらっしゃるよりはよほど強い。不況の中でも今でも頑張っている。麻雀に例えると「負けない麻雀」。負けを最小限に抑えて、辛抱強く打ち回して人を育て、技術を磨き、新しい分野に挑戦し、新たな客を開拓していく。そしてチャンスが来たなという時にドンと飛び出す。

・アメリカの場合は麻雀で負けが込んでくると、「やってられるか」とテーブルをひっくり返して帰る。だから、世界中に名前が通っているような立派な会社がゴロンと倒産したり、とんでもない会社にある日突然身売りしたりして、辛抱が足らない。

・ヨーロッパはそうではない。点棒が半分になったら、従業員も半分にし、縮小均衡でバランスを取る。だから技術はきちんと残る。

・アジアの社長の場合は、大した根拠もないのに楽天的。麻雀で負けが込んでくるといろいろ考える。何も製造業で頑張らなくたって、不動産、金の先物でもいいんじゃないかと。それにしても、何で自分ばかり負けてるのか、日本ばかり勝ってるのはおかしい、それはルールがおかしいからに違いない、だからルールを変えたらどうだろうと考える。そしてほんとにルール改正をやってしまう。それで改正によって勝てるようになると、「俺も実力が上がったな」と考える。それは違うのだが。

・日本の社長は勝っても負けても麻雀一筋、勝つまでやめない。カメラの時がそうだった。アメリカにはカメラ製造業が150社ぐらいあった。日本の18社がドーッとアメリカに輸出して、2年にわたる日米カメラ大戦争。アメリカはコダックとポラロイドの2社を残して全部つぶれた。日本は1社もつぶれなかった。日本の中小企業というのは実は大変強い。

・インドのタタ・ナノという自動車がある。わずか20万円で売っている車。これに日本の部品が大量に使われている。私はその部品を供給しているメーカーに聞いて回ったが、みんな「儲かってもいないけれど、決して損して売っているわけではありません」。

・実は日本は中国に対抗できる。中国の人件費は日本の30分の1だが、これに対抗してもっと安い部品がつくれる。なぜかというと、昔からブレーキをつくっている会社はブレーキだけをつくっているから。つまり専用の機械をたくさん持っている。60年ぐらい前からやってるから、償却なんかとっくに終わっている。同じ型の部品をつくるのなら、NCのような高度なことはやらないで古い機械でつくるほうがうんと安くていいものができる。中国は最近始めたばかりで、わりといい機械を入れている。高級なNCでやるから、製造に時間がかかり、さらに償却が始まったばかりだから、どうしても部品価格は高くなってしまう。実は案外日本は競争力がある。

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