【東日本大震災-4】外国人から見た日本と日本人(25)

2011.04.16 Saturday 02:00
くっくり



 日本の友人たちよ。

 あなた方の国民性の素晴らしい点は全て、ある事実を常に意識していることとつながっています。すなわち、人はいつ何時、危機に直面して自己の生き方を見直さざるをえなくなるか分からない、という事実です。

 それにもかかわらず、日本人が悲観主義に陥らないのは、驚くべきことであり、また素晴らしいことです。悲観どころか、日本の芸術には生きることへの喜びと楽観があふれています。日本の芸術は人の本質を見事に描き、力強く、様式においても完璧です。

 日本は私にとって大切な国です。日本での仕事や日本への旅で出会い、個人的に知遇を得た多くの人々。ポーランドの古都クラクフに日本美術・技術センターを建設するのに協力しあった仲間たち。天皇、皇后両陛下に同行してクラクフを訪れた皆さんは、日本とその文化が、ポーランドでいかに尊敬の念をもって見られているか、知っているに違いありません。

 2002年7月の、あの忘れられないご訪問は、私たちにとって記念すべき出来事であり、以来、毎年、私たちの日本美術・技術センターでは記念行事を行ってきました。

 日本の皆さんへ。

 私はあなたたちに思いをはせています。この悪夢が早く終わって、繰り返されないよう、心から願っています。この至難の時を、力強く、決意をもって乗り越えられんことを。

 ワルシャワより、
 アンジェイ・ワイダ

【プロフィル】アンジェイ・ワイダ
 1926年、ポーランド・スバウキ出身。54年、「世代」で監督デビュー。「地下水道」「灰とダイヤモンド」などでポーランドを代表する映画監督に。最新作に第二次大戦中の虐殺事件を描いた「カティンの森」(2007年)。1996年、第8回高松宮殿下記念世界文化賞(演劇・映像部門)受賞。

ザッケローニ「水曜日に日本に帰国する」(長靴をはいた栗鼠3/19)
多くの人が日本からの脱出を果たす中、このイタリア人はあえて逆の行動に出た。アルベルト・ザッケローニは安全なイタリアを離れ、危険な場所へ向かおうとしている。不安と恐怖を抱えながらも、ザッケローニは日本帰国の時を待ちわびているのだ。

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