北方領土の日に思う もし上坂冬子さんがこの状況をご覧になったら…
2011.02.08 Tuesday 04:10
くっくり
それがなぜ、あのタイミングで一線を越えてしまったのか……。
メドベージェフ大統領は2012年に大統領選挙を控えているし、国内向けに強硬さをアピールしたかった面も当然あるんでしょうが、対日に絞って言えば、政権交代以降、民主党政権によってくり返されてきた稚拙な外交につけ込んできた面が大きいのは、誰の目にも明らかでしょう。
普天間基地移設問題をきっかけに日米関係が悪化。そこにつけ込んだ中国とロシアが接近、協調……。
胡錦濤国家主席とメドベージェフ大統領は北京で9月27日に会談し、翌日「第二次世界大戦終結65周年に関する両国元首の共同声明」を発表しました。
中露は歴史認識で協調し、領土問題でも日本を挟み撃ちにした格好となりました(ちなみに尖閣衝突事件で日本が中国人船長を釈放した日は9月24日)。
思い起こせば、メドベージェフ大統領の北方領土入りは、11月中旬に横浜で行われたAPECの開催直前に決行されたものでした。日本は完全に舐められたわけです。
でも、よく考えれば、そもそも同大統領の「不法入国」は予告されてたんですよね。
9月の中ロ首脳会談の後に訪問したカムチャッカで、記者団に対し「近いうちに北方領土へ必ず行く」とコメントしてたわけですから。
なのに、日本政府はロシア側に「日露関係に重大な支障が生じる」と警告しただけで、他に何ら手を打ちませんでした。
その上、メドベージェフ大統領の「不法入国」後、日本政府は対抗措置として駐ロシア大使を一時帰国させるも、わずか数日でまたモスクワに戻すという中途半端な対応をしてしまいました。
その後、APECのため日本を訪れたメドベージェフ大統領と菅首相が会談しましたが、何ら進展はなし。
菅首相は「北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結したい」と提起しましたが、同大統領は回答を避けました。
また国後島への訪問にも当然抗議しましたが、これも「感情的な声明や振る舞いは事態の改善にはつながらない」と軽くあしらわれる始末でした。
以降、度重なるロシア高官の「不法入国」に、日本政府はただ抗議を繰り返すのみ。
直近のセルジュコフ国防相の「不法入国」に対してももちろん抗議したのですが、ロシア外務省はそれに対し「失望した」と表明、その上で「第2次世界大戦の結果として両国間に生じた領土の客観的な現実に対し、冷静で考え抜かれた対応をとるよう望む」と述べたそうです(朝日2/6)。
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