物の数え方に見る日本の文化 「ビーバップ!ハイヒール」より

2011.01.24 Monday 22:32
くっくり



 「同じ物でも数え方が変化する。魚は海で泳いでる時は『匹』、尻尾が付いてるから売る時には『尾』、おろしたら『枚』、切ったら『切』…というふうに、物の形状や見方によって変わる」

 
■生き物の数え方

 猿やリスは「一匹、2匹…」、象やキリンは「一頭、二頭…」。

 「匹」と「頭」の違いは?
 大きいのは「頭」と数えるようだが、その理由は?
 そもそも「匹」とは?

 もともと日本人は大きい動物も小さい動物も「一匹、二匹…」と数えていた。

 「匹」という漢字、これは馬の尻の形を表しているもの。

 昔の人にとって、最も身近な動物が馬だった。
 馬を数える時の「匹」を、他の動物にも使うのは自然な流れだったのだ。

 しかし、馬は現在「頭」と数える。なぜ?
 もともと馬も「匹」で数えていたのに……。

 実は、大きな動物を「頭」で数えるようになったのは、明治時代の終わり頃。
 英語の数え方の影響を受けたから。

 欧米では牧場の牛を数える時、牛の頭の数を数えていた。
 この時、使う単位が「ヘッド(head=頭)」。
 そこで、牛以外でも、ある程度の大きな動物は、数を「ヘッド」で表すのが一般的なのだ。

 明治の終わり、この「ヘッド」を、「頭(あたま)」つまり「頭(とう)」と直訳したため、いつしか大型の動物は「頭」と数え、小型の動物は今までどおり「匹」で数えることになった。

 では「頭」と「匹」の境目は?
 それはやはり人間が基準。
 人間より大きいものは「頭」、小さいものは「匹」と数えるのが原則。


■機械の数え方

 電化製品を思い起こすと、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどはそれぞれ「一台、二台…」と数える。
 台にしているわけでもないのに、なぜ「台」なのか?

 もともと日本人は昔から、物を乗せる台だけを「一台、二台…」と数えていた。
 鏡台やちゃぶ台、秤(はかり)など、何か物を乗せる物だけを「台」で数えていた。

 それが荷車や牛車、人力車など、車輪が付いている物も、人や物を乗せる物なので「台」となった。

 ところが明治の終わり、機械に対しても「台」を使う数え方が一気に広まった。

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