「たけしの教科書に載らない日本人の謎」仏教特集

2011.01.04 Tuesday 05:57
くっくり



 最澄が唐から戻ってまずしたことは、病床の桓武天皇の祈祷だったが、その甲斐なく桓武天皇は亡くなった。
 その後を継いだ息子の平城天皇も、弟の伊予親王を謀叛の疑いで服毒自殺に追い込み怨霊化させてしまうなどし、桓武天皇亡き後も、平安京は怨霊に悩まされ続ける。

 次の嵯峨天皇は空海が唐から持ち帰った密教に興味を持ち、今までにない特別な霊力ということで盛んに取り込んでいこうとした。

 嵯峨天皇は日本中に疫病が流行った際、空海に祈祷を命じた。すると疫病はたちまち治まった。嵯峨天皇は空海への信頼度を深め、823年には京都の東寺を空海に与えるなどし、次の淳和天皇も空海を重用した。

 密教は仏にすがるだけでなく、自分たちも修行して高めることによって、自然のいろいろな物までも動かしていく可能性がある。このような密教に人気が集まった。貴族、天皇も密教を取り入れていく。


◆天皇の即位儀礼に密教儀式

 神道の中心である天皇が密教を儀式に取り入れていた。それは即位儀礼。従来は神道の儀式だけだったが、ある時そこに仏教の儀式も行われるようになった。
 それを竹田恒泰氏の監修のもと再現。

 天皇の即位式の際の最も重要な儀式「紫宸殿(ししんでん)の儀」は御所の紫宸殿で行われる。
 板敷きの空間の中央に高御座(たかみくら)が置かれている。その内部には椅子が置かれている。
 ここに座ることで、天皇の即位が象徴的に示される。この高御座に着席された後、天皇の密教儀式が行われていたというのだ。

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 天皇が女官の差し出した「さしば」で覆われている時にしていること。
 密教で仏を表すポーズである印相を組み、仏を意味する言葉、真言を唱える。どちらも大日如来を示すものだったと考えられている。

 なぜ重要な儀式に仏教が取り入れられたかというと、神仏習合が進んでいたから。神道の最高神は天照大御神だが、仏教ではこれは大日如来に相当するんだという考え方。
 天皇は即位の儀礼の時に、神道儀式で天照大御神の霊力を受け、仏教儀式で大日如来の霊力を受ける、これによって天皇は完成すると。

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