「たけしの教科書に載らない日本人の謎」仏教特集
2011.01.04 Tuesday 05:57
くっくり
(4)天グループ
明王グループと同じく武道派集団。
「天」とは耳慣れない言葉と思われるかもしれないが、「寅さん」で有名な葛飾柴又の帝釈天、戦の神様の毘沙門天、東大寺の金剛力士も天の一員。
同じ武道派集団の明王との違いは?
天は元々インドの神話に出てくる神様で、仏教界の一員ではない。
天とは、神という意味の、古代インド語(サンスクリット語)のテーヴァが元になっている。天は当て字。
仏教が広まる前のインドでは、ヒンドゥー教という多神教が信仰されていた。その中には最強の戦士インドラという神や、ブラフマンという宇宙を作った創造神など多彩な神様がいた。インドラは帝釈天、ブラフマンは梵天として仏教に取り入れられていった。
元々いたインドの神様たちを、仏教を守るガードマンとして取り入れたのが天。いわば正規軍ではないが、外から助けてくれる助っ人外国人のようなもの。
天はインドの神話に出てくるということで様々な姿をしている。菩薩や如来より、より身近なものがあった。
たとえば、天の最高位の四天王と呼ばれる多聞天、広目天、増長天、持国天は東西南北に分かれ、如来・菩薩を守ると言われる。足の速さを形容する韋駄天、地獄の王の閻魔様も天の一員。
そして天はしばしば、御利益によりユニットのように複数で組む。例えば、多聞天が武将の間で人気があるとなると、多聞天はソロデビュー。
多聞天は戦国時代に名前を変えて活躍した。それが上杉謙信の守り神で有名な毘沙門天。毘沙門天はさらに弁財天、大黒天とともに日本の神様ともユニットを組み、七福神として日本にすっかり定着した。
以上4グループ以外に、空海、鑑真などの高僧も仏像となっている。
その年、その時代に合わせ、救いの形を進化させ、日本の民衆に愛されてきた仏像。願いの数だけいろんな仏像がほしい、そんな人間の御利益主義が多種多様な仏像を生んだのかもしれない。
◆日本語の中に隠れた仏教
・玄関
もともと「玄妙な道に入る関門」という意味で、仏門に入るいとぐちを指していた。それが寺の門、特に禅寺の入口に使われるようになり、やがて一般の家の入口もそう呼ぶように。
・ガタピシ
擬声語ではなく、漢字では「我他彼此」。ものが対立してうまく行かないことを表す言葉だったが、やがて建て付けを表す言葉に。
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