2006.07.03 Monday 09:01
くっくり
ポスト小泉の有力候補である安倍晋三官房長官は、小泉首相の靖国参拝を織り込み、出馬表明を盆すぎに延ばした。安倍氏の対抗馬と目される福田康夫元官房長官も、首相参拝への内外の反応を見極めようとしている節がうかがえる。
総裁選は九月八日告示、二十日投開票の日程が固まった。各候補が八月も半ばを過ぎてから名乗りを挙げ、それからやっと政権構想や政策の論争を始めるというのではあまりにも遅い。
小泉首相に振り回される必要はさらさらない。退陣前に再び靖国神社に参拝する、しないにかかわらず、靖国参拝問題はもともと今回の総裁選で主要な争点とすべきテーマであるはずだ。
小泉首相の靖国参拝は内外に深刻な問題を残した。A級戦犯がまつられていることを理由に反発する中国や韓国との関係は極度に悪化し、日本の東アジア外交は機能不全に陥った。国内世論も参拝の是非で深い亀裂が走っている。
宗教法人である靖国神社への首相参拝には、政教分離を定めた憲法に反するのではないかという疑義がつきまとう。現に二〇〇四年に福岡地裁が、〇五年には大阪高裁が違憲判断を示している。
小泉首相の靖国参拝をめぐっては二十三日に初の最高裁判決があった。最高裁は憲法判断に踏み込まず肩すかしの判決となったが、首相の靖国参拝に合憲のお墨付きを与えたわけではない。
経済同友会が参拝中止を求め、超党派の国会議員連盟は「参拝は憲法違反の疑いがある」として「国立の追悼・平和祈念施設」の建設を提言した。日本遺族会の会長を務める古賀誠元自民党幹事長はA級戦犯の分祀(ぶんし)を提案している。
いずれも小泉首相の参拝がもたらした問題を打開しようという動きだが、解決するための責任は政治にある。総裁選の争点に取り上げられて当然だろう。
首相の座を狙う各候補は、自ら進んで靖国問題についての考えを明らかにすべきだ。小泉首相の次の参拝への反応を腕組みして見守っているようでは、この国のリーダーを目指す資格などない。早く論争を起こそうではないか。
[新潟日報7月2日(日)]
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