2010.09.07 Tuesday 00:21
くっくり
このシナリオには異論もあるかもしれない。だが、十分ありうる話である。日本がヨーロッパとアメリカに投資せず、資金をすべて国内に保有していたらどうなるかを想像すれば、その結果は公平なものになるのではないだろうか。ヨーロッパ人は自国産の製品に高い価格を支払わねばならず、高級なライフスタイルを送る余裕がなくなるだろう。
「SAPIO」2006年2月8日号【世襲制度の改革より天皇制への無関心をなくすことが急務だ】より
現在世界に残された皇帝はただひとり、日本の天皇である。帝国でなくなってから60年が経っているにもかかわらず、日本には天皇制が残っている。しかしこの地位はいま、廃絶の危機にさらされている。廃絶されれば、それは日本だけでなく世界の損失になるだろう。なぜなら歴史を通じて日本を特徴づけてきたこの制度は、他の王制とは異なるものだからだ。
現在の皇族の祖先がいつ皇位に就いたかは誰も知らない。だが神話が伝える紀元前660年という年代はさておき、少なくとも日本国家が始まった、紀元後の最初の1000年間の半ばからは、同じ一族が日本を統治してきたことは認めねばならない。現代の世界において、このような例は他に見られない。この驚くほどの継続性について説明をつけることは難しい。日本の歴代天皇は、具体的にはほとんど何もしていないに等しいからだ。
軍事的、政治的な権力をふるったわけでもなく、並外れた人物であったわけでもなく、卓越した知識や超自然的な能力を持っていると主張したわけでもない。まだ幼いころに皇位に就く場合もある一方で、半数ほどは(存命中に)退位している。天皇たちは通常、宮廷の貴族や軍司令官、高位の政治家や顧問に操られていた。だが、これらの権力者が、他の国であったように、力のない君主に取って代わろうとしたことはなかった。個々の天皇の弱さは、天皇制の永続性とバランスがとれていた。
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