外国人から見た日本と日本人(20)

2010.09.07 Tuesday 00:21
くっくり


■リリア・デマルティニ=ペルー人。1970年(昭和45年)生まれ。来日後日本語学校で勉強した後、上智大学に入学。卒業後、筑波大学で修士課程を収め、博士課程も修了。その間に結婚、出産。日本滞在期間16年。
加藤恭子編「私は日本のここが好き!—外国人54人が語る」より

 ときどき、「ペルーに帰りたいと思ったことはないの?」と聞かれますが、忙しすぎてそんなことは考える余裕もありませんでした。でも、私が今までやってこられたのは、よくしてくれる親切な日本人が絶えず私の周りにいてくれたからだと思います。

 私の叔母は、日本人と結婚して日本に住んでいるのですが、その叔母の友人の日本人の方は、私の保証人になってくれたり、上智大学のことを教えてくれたり、仕事がないというと、場所やら生徒やらを手配してくれて、私がスペイン語の先生として働く場を作ってくれたりしました。また、仲良くなった八百屋さんの夫婦は、部屋を使ってもいいと言ってくれたり、しょっちゅう食事に連れて行ってくれたりしてお世話になりました。さらに、名古屋で家探しをした時には、古くてもいいから2DKの部屋がいいと言ったら、大家さんは、自分が住もうと準備していた部屋の鍵を奥から大事そうに持ってきて、私に貸してくれました。

 そういう情の厚い日本人に支えられて、忙しいけれども居心地がよかったのだと思います。

 私には今、六歳の娘がいますが、受験して今春から私立の小学校に通っています。引っ込み思案だった娘が、受験を通して、見違えるようにたくましくなりました。日本は学びたい意志があって努力さえすれば、誰でもすばらしい教育環境で学ぶことができます。引きこもりだとかニートだとかと、言っている場合ではありません。こんなすばらしい環境を利用しない手はないのです。

■モハメッド・アリ・サダト・レザイ=イラン人。1966年(昭和41年)生まれ。テヘラン大学で美術を学び、焼き物の商売を経験。26歳の時に晴海の見本市に自分の焼き物出展のため初来日。日本人には全く売れず、まず日本人を理解しなくてはと、英語教室の先生となる。現在ペルシャ・トルコ料理レストラン経営。日本滞在期間17年。
加藤恭子編「続・私は日本のここが好き!—外国人43人が深く語る」より

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