2010.06.14 Monday 19:16
くっくり
加藤恭子編「私は日本のここが好き!—外国人54人が語る」より
研修生で来日した頃の私は、アバウトな性格で「もういいや」と途中で諦めてしまうタイプでした。けれども日本に来たからこそ成長できたのだと思います。日本人は、真面目で勤勉、そして「質」をとても大事にすると思います。社会全体で常にエクセレンスをめざす。自分たちは気がついていないかもしれませんが、これはとても明白な素晴らしい利点です。
そして、日本社会の最大の強みは、「一般人」です。日本には世界一の「一般人」がいますよ。米国のエリート教育はすごいと思いますが、エリートは一部の人間だけです。日本には優れた一般の人々が大勢いて、いつだって一生懸命。日本は健全な社会だと実感します。米国は貧富の差が激しいですから、それこそ健康保険にも加入していないような人々がたくさんいます。日本には最低保障、セイフティーネットがあります。豊かな社会なのです。
治安も世界一です。東京では、子どもを自由に外で遊ばせておくことができますし、バスや電車に一人で乗せることもできます。マンハッタンで子どもを一人で外に出すなんて到底考えられません。東京での生活の方がよっぽど充実した子ども時代を送れると思います。
加藤恭子編「私は日本のここが好き!—外国人54人が語る」より
私にとり、日本の武道は、自分の中心にあります。武道で母国を再建したいのです。
トルコでは剣道を習っていました。現在は日本語を学ぶ為に、東京外国語大学に在学しています。学業の合間を縫って、週のほとんどを道場に通う日々です。剣道、居合い道に続き、杖道という武道も始めました。私の武道の師匠は素晴らしい人物です。国際大会にも頻繁に招待され、彼を頼って来日する外国人は後を絶ちません。
〈中略〉段審査を受けた時の話です。東京での審査はすでに終了していました。次の審査まで待てません。私の帰国の日は迫っているのですから。先生は茨城で段審査が行われていることを調べ、受けられるよう手配してくれました。本来は居住地である東京地区の武道会に所属している私が、越境して審査を受けることは不可能です。先生は弟子が外国人であること、熱心に稽古に通っていること等を、関係者に説明し、「段を取りたい」という願いを叶えてくれました。形式を重んじる武道の世界で“特例”を認めることがどれほど困難なことか。先生は実の父親が息子にするように、試練とチャンスを与えてくれたのです。
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