外国人から見た日本と日本人(18)

2010.06.14 Monday 19:16
くっくり


「朝日の中の黒鳥」より

 天皇は、日本では、魂のように現存している。天皇はつねにそこに在(あ)り、そして続くものである。天皇がいかにして始ったのかは誰も正確には知らないが、天皇が終わらないだろうことは誰もが知っている。

※タイトルの「朝日」は日本、「黒い鳥」はクローデルのこと。クローデルは「黒鳥」(クロドリ)と自分の名前の音の響きがよく似ていることに親近感を抱いていたそうです。

■金美齢=台湾人。1934年(昭和9年)台北生まれ。日本統治下の台湾で育ち、日本敗戦後国民党による台湾人弾圧時代を経験。1959年(昭和34年)日本に留学後、台湾民主化運動に参加。このため30年間以上も台湾の土を踏むことができなかった。多くの大学で講師を歴任。1988年から2000年までは学校法人柴永国際学園JET日本語学校校長も務めた。台湾の民主化が進んだ後、2000年から2006年まで総統府国策顧問。2009年9月、日本に帰化。
「正論」2009年9月号 金美齢×盧千恵【台湾人にとっての「昭和」】より

 日本人が日本の都合でやったことでも、台湾人のためになったことがたくさんあったんです。それを結果論とか程度の問題にすぎないと突き放すこともできますが、程度の差を抜きに一括りに切り捨てたら実態は見えてきません。

 “国づくり”ということで言うと、たとえば、いま台湾檜は最高級という折り紙が付いていますが、檜をせっせと植林して手入れすることを台湾人に教えたのは日本の技師です。丹精込めて檜を育てる技術とそのための心を日本人は台湾に残していった。それが、日本人が去ったあとに中国人がやってきて、すぐにお金になるからと物凄い乱伐をした。しかも、それを告発しようとした台湾人は彼らに殺されてしまった。

 日本人は十年後、二十年後を考えて植林したのに、中国人は目先の欲得しかなかった。戦後、台湾がたびたび洪水に襲われるようになったのはそのせいなんです。ここにも台湾人にとって、立派な日本人とひどい中国人という構図が浮かび上がってくる(笑い)。やっぱり台湾と日本の良き関係は、ある種の幸運な歴史の積み重ねと、人としての親和性が双方にあったからだと思います。


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