豪州が日本を提訴 18年前の捕鯨問題「CREA」92年9月号

2010.06.07 Monday 02:36
くっくり



 さて、18年経ってもIWC総会での議論は同じところをぐるぐる回ってる……ように見えて、実はそうじゃない。
 1992年当時は商業捕鯨再開の是非が議論の主題になってましたが、今では商業捕鯨どころか調査捕鯨すら許さんというのが反捕鯨国の主張になってますよね。

 あと、当時の日本国内のムードを思い出すと、「捕鯨は日本の伝統文化だから守るべき」という意見は国民の間ではさほど主流ではなかったというか、「知能が高いんだから殺すのは可哀相」「絶滅しかかってるから捕ってはダメ」という、欧米(反捕鯨国や反捕鯨団体)の主張を丸呑みした声がまだまだ多かったような気がします。

 いや、1992年どころか、その10年後の2002年頃でも、私の周囲ではそういう声が多かったです。
 IWC総会が「くじらの町」山口県下関市で行われた2002年に、私は『ぼやきくっくり』で初めて本格的に捕鯨問題について書いたんですが、当時の掲示板に「殺すのは可哀相です」「鯨が絶滅してもいいんですか」という趣旨の、感傷的なご意見をたくさん頂戴したことを覚えています。

 (ちなみに当時『ぼやきくっくり』は、『くっくり通信』という人材派遣・在宅ワークの情報サイトの中の1コーナーでした。そのため訪問者は多くが女性で、はっきり言って政治や外交にはさほど興味がないという方が大半だったことを付け加えておきます)

 それからさらに年月が経過した現在、日本人は捕鯨問題に多少なりとも詳しくなりました。少なくとも感傷的な意見は激減しました。
 日本の調査捕鯨船に対するシー・シェパードのテロ攻撃や、映画「コーヴ」がその偏向的な内容にも関わらずアカデミー賞を受賞したことなど、ここ数年来の出来事が皮肉にも日本人を啓発したということになるのでしょうか。


 さて、ここからが今日の本題。
 最近、捕鯨問題でいくつか動きがありましたね。

 ひとつはシー・シェパードの船長、ピーター・ベスーン被告の裁判。

 「捕鯨にかかわる人はすべて悪魔だと思っていたが、(身柄拘束後に)一緒に過ごすとすばらしい人々だった。彼らは職務を全うしているだけで、日本人に対していかなる恨みもない」(時事5/31)と、しおらしい発言もしているようですが、釈放された途端に態度を翻しそうで怖い。

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