豪州が日本を提訴 18年前の捕鯨問題「CREA」92年9月号
2010.06.07 Monday 02:36
くっくり
反捕鯨国の代表は、「鯨は日本だけのものじゃない」「世界が捕鯨反対なのに、なぜ固執する」「今の日本人には鯨は小さな問題だろう」と口々に言う。「鯨を食べるぐらいなら共食いしろ」と日本人を罵倒する声もある。日本人の中にも「そんなに反対されるのなら止めればいい」という声がある。
でも、それは違っているのではないか。日本人と鯨の交際は長い。鯨油を取るためだけに捕鯨をしていた欧米とは比較にならない。捕鯨そのもの——技術、解体ノウハウ、衣食住への利用術——は、日本人が育てた文化だ。日本人が鯨を処理した場合、ヒゲもヒレも皮も内臓も、徹底利用する知恵がある。今現在、日本人にとってマイナーな文化だからといって、切り捨ててもいいのだろうか?
何も鯨肉を食べるために、日本は捕鯨に固執しているワケではない。文化としての捕鯨技術を守ることが、日本人の“万一”の安全保障になるからだ。日本人が牛や豚をたらふく食べられるようになったのは、ここ数十年のこと。もし食糧事情が激変したら、狭くて山だらけの日本は海の資源に頼るしかない。どこの国も、食料安全供給への備えは怠りない。それが日本の場合、欧米人が食べる習慣のない、しかも哺乳類で可愛い奴と評判の鯨も対象だったため、環境保護運動家プラス動物愛護家から批判されるのだからキツイ。
とはいえ、乱獲への自己規制だけは必要だ。「商業捕鯨を再開したら最後、利潤につられて企業は乱獲に走る」(舟橋氏)という声を反省材料に、捕鯨問題評論家の小松錬平氏は「企業は乱獲がいかに自分の首を絞めてきたか身に沁みて懲りてます。それに、捕獲するのはミンククジラだけ。それも日本のやり方を世界の人にオープンにして見てもらうことがいい」と語る。
来年5月、IWC総会が日本で開催される。この一年が日本の捕鯨の行方を決める。
____________________________コラム起こしここまで
このコラムで特に「おっ」と思ったのはこの箇所。
「文化としての捕鯨技術を守ることが、日本人の“万一”の安全保障になるからだ」「もし食糧事情が激変したら、狭くて山だらけの日本は海の資源に頼るしかない」
膨張し続け今や資源消費大国となった隣国・中国の存在を考えると、非常に重要な指摘ですよね。
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