江戸時代を見直そう(2)

2010.03.30 Tuesday 00:53
くっくり



 芭蕉は、日本列島の持つ自然の美しさ、奥深さを、あたかも八百万の神の力を借りたかのように、短い五七五という俳諧の世界のなかで表現した。こういう人が元禄時代に生き、日本のなかを旅していたのです。

 これだけでも、東京書籍の教科書*1など初めから落第ということはわかりますね。芭蕉についてろくに触れていない歴史教科書とはいったい何であるか。百姓一揆ばかりを書いている教科書なんてまったく信用できません。

 *1 引用者注:“階級闘争史観”が色濃く表れている東京書籍の中学歴史教科書は、現在6割以上のシェアを占めているそうです。


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【奥村政信「絵本小倉錦」より「桜・花見」】


■石川英輔(作家)

 私はいろんな昔の製造業の職人の絵を集めていますが、元禄時代のものの中に、針摺を描いたものがあります。針摺とは針をつくる職人のことです。針金を切って、針孔(めど)を開けて擦って尖らす。鋼鉄のままでは削れませんから、おそらくたくさんできた段階でまとめて焼きを入れて、あれを一本、一本作っていくのだと思います。私みたいに気の短い人間は二本もやったら嫌になってしまうでしょう。それくらい根気のいる仕事です。

 今では機械化され、大量生産されるようになった。しかし、針を大量生産することが進歩なんですか?私も長い間産業人でしたから、儲けを出すためには工程の手抜きをして大量に作る必要があることは重々承知していますが、そうやって大量生産した結果どうなるのか。製品がゴミとなるんですよ。必要のないものまで作るのが大量生産ですから。

 捨てる場所がある国はまだいいんです。環境問題に取り組んでいる人から聞いたのですが、アメリカには砂漠に爆撃機の捨て場があったそうです。B17あたりからB52あたりまで爆撃機が砂漠に延々と捨ててある。私たち日本人はそういう国の文明を真似してはいけなかったんです。それで、近年リサイクルが流行り始め、おかげさまで私も『大日本リサイクル事情』という本を書いて、大変いい思いをいたしましたが(笑)。


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