北方領土の日によせて【将兵万葉集】(1)シベリア抑留者

2010.02.06 Saturday 01:51
くっくり


 戦ったのは将兵だけではありません。通信維持の使命に殉じた真岡電話局の9人の乙女のような民間人の方々もいました。
 このような日本側の奮闘により、ソ連は最終目標であった北海道の占領はあきらめましたが、千島列島(国後島、択捉島、得撫島、幌筵島、占守島などの島々)と南樺太および歯舞諸島、色丹島は占領されてしまいました。

 さらに新たな悲劇が起こります。
 ソ連軍は満州・樺太・千島などの日本人(当時日本国籍だった朝鮮人なども含む)約60万人をシベリアを始めとするソ連領内に抑留し、1年から11年にわたる強制労働に従事させたのです。
 抑留者は将兵だけではなく、民間人、満蒙開拓義勇団の若者、ソ連大使館の日本語教師など女性も含まれていました(『雪原にひとり囚われて—シベリア抑留10年の記録』を出版された坂間文子さんによれば、女性は全部で30数名だったとのことです)。
 極寒の異郷で飢えと重労働に耐えながら、望郷の念を抱き無念にも果てた人々の数は6万人とも7万人とも言われています。

 シベリア抑留は人道上問題であるのみならず、「日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ」とするポツダム宣言第9項に明確に違反しています。

 佐藤優氏が現役外交官のころ親しくしていたというロシアの政治家、ゲンナジー・ブルブリス氏(エリツィンの初期のブレーンでソ連解体のシナリオを描いた人物)は、佐藤氏にいつもこう言っていたそうです。

 「北方領土問題もシベリア抑留問題も根源は一緒だ。スターリンの全体主義によって行われたものである。ロシアが自発的にスターリンの負の遺産と決別することで、ロシアの国際的評価が向上する。ロシアの国益を増進する観点から、われわれはシベリア抑留に関して日本に謝罪し、北方四島を返還すべきだ」(【佐藤優の地球を斬る】北方領土と同根のシベリア抑留 09/7/26配信

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