「朝鮮紀行」イギリス人女性が見た19世紀末の朝鮮(4)終
2009.11.01 Sunday 00:21
くっくり
((中略))人が理由もなく投獄され、最下層民の何人かが大臣になった。金玉均〈キムオツキユン〉を暗殺した犯人が式部官に任命され、悪事をつづけてきて有罪の宣告を受けた者が法務大臣になった。官職をこっそり売買したり、国庫に入るべき金を途中で着服したり、貧乏な親戚や友人を「箔〈はく〉づけ」して官舎に住まわせるためにほんの数日間だけしかるべき官職に就けたり、高官が少しでも非難されたらすぐに辞任するという習慣がはびこったりした結果、国政はつねに混沌とした状態にあった。善意の人ではありながらも優柔不断な国王は、絶対的存在であるのに統治の観念がなく、その人柄につけこむさもしい寵臣のおもちゃであり、貪欲な寄生虫にたかられ、しかもときには外国の策士の道具となっている。そして常設しておくべき機関を壊すことによって政府の機能を麻痺させ、私欲に駆られた官僚の提案する、金に糸目をつけない計画を承認することによって、経済財政改革を一過的で困難なものにしている。こんなめちゃくちゃな政治のやり方は、ロシア公使館にのがれて自由を得るまでの国王には決して見られなかったものである。(p.538-539)
●ソウルの多くの区域が、なかでもとくに《南大門》と《西大門》の付近が文字どおり変貌していた。両わきに石積みの深い運河があり石橋のかかかった、狭いところで幅五五フィートの大通りは、かつてコレラの温床となった不潔な路地のあったところである。狭かった通路は広げられ、どろどろの汚水が流れていたみぞは舗装され、道路はもはやごみの「独壇場」ではなく、自転車が広くてでこぼこのない通りを「すっ飛ばして」いく。「急行馬車」があらわれるのも間近に思われ、立地条件のすばらしいところにフランス系のホテルを建てる構想もある。正面にガラスをはめこんだ店舗は何軒も建っているし、通りにごみを捨てるのを禁止する規則も強化されている。ごみや汚物は役所の雇った掃除夫が市内から除去し、不潔さでならぶもののなかったソウルは、いまや極東でいちばん清潔な都市に変わろうとしている!*8
この大変身は四カ月前から行われており、意欲的で有能な税関長の発案を、ワシントンで市政運営について学んだ知性と手腕の市長李采淵氏が支持したものである。氏はまれに見る慎み深い人で、市内環境改善をいっさい自分の功績とはせず、すべては税関長マクレヴィ・ブラウン氏のおかげによるものだと語っている。
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