「朝鮮紀行」イギリス人女性が見た19世紀末の朝鮮(4)終
2009.11.01 Sunday 00:21
くっくり
●ひとつ確実に言えるのは、戦争と日本の支配期が朝鮮全土にあまりに唐突な動揺をあたえ、またそれまで年代を経たものとしてあがめられてきたさまざまな慣習や制度の信用を徹底して失墜させてしまった以上、たとえ一八九七年にある程度見られたような時代逆行の動きがあったとしても、朝鮮を昔の型にはめもどすのはもう不可能だということである。(p.560)
●この三年間にあった朝鮮に有益な変化のうち重要性の高いものをまとめると、つぎのようになる。清との関係が終結し、日清戦争における日本の勝利とともに、中国の軍事力は無敵であるという朝鮮の思いこみが打破され、本質的に腐敗していたふたつの政治体制の同盟関係が断ち切られた。貴族と平民との区別が少なくとも書類上は廃止され、奴隷制度や庶子を高官の地位に就けなくしていた差別もなくなった。残忍な処罰や拷問は廃止され、使いやすい貨幣が穴あき銭にとってかわり、改善を加えた教育制度が開始された。訓練を受けた軍隊と警察が創設され、科挙〈クワゴ〉はもはや官僚登用にふさわしい試験ではなくなり、司法に若干の改革が行われた。済物浦〈チエムルポ〉から首都にいたる鉄道敷設が急ピッチで進められており、商業ギルドの圧力はゆるめられ、郵便制度が効率よく機能して郵便に対する信頼は各地方に広がった。国家財政は健全な状態に立て直され、地租をこれまでの物納から土地の評価額に従って金納する方式に変えたことにより、官僚による「搾取」が大幅に減った。広範かつ入念な費用削減が都市および地方行政府の大半で実施された。(p.561)
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